Iris

シェイクスピアの庭のIrisのネタバレレビュー・内容・結末

シェイクスピアの庭(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

今年は私にとってシェイクスピアに所縁のある年だったので、ずっと観たかったこの映画を以て今年を締め括ります。

イングランドの田舎景色が綺麗。カメラワークがベルファストみたいでケネスブラナーはこういう構図が好きなのかな。
シェイクスピアがアンにThe second best bed(2番目に上等なベッド)を遺すところが好き🛏️
所々でシェイクスピアの作品ネタを入れていて、“森をダンシネーンへ動かしたことはあるぞ”のジョークに笑った。

私もシェイクスピアを読んでいつも疑問に思っていたこと
“なぜ分かるのか?”
“すべてのこと”
“あなたはこの世のすべてを知り尽くす”
“魂の地理を隅々まで航海できる”
“でも14歳で中退し旅もしていない”
について、“ナメクジ退治の方法すら知らない”という答えに納得。失われた年月と呼ばれる7年間で海外を旅した説は置いておき、自分の内を見つめ想像力を働かせた賜物なのだなと感じた。

ソネットのサウサンプトン伯、ジュディスとアンが字を書けないこと、スザンナの名誉毀損、ハムネットの死の真実、ジュディスの夫トマスの婚前交渉をして産まれた子など、中にはウィキペディアに載っていないことまで知れて良かった。(諸説あるものもあるが) そこに人間味溢れるストーリーを持たせ映画にできるのがすごい。
シェイクスピアの劇を映画化したものは多いが、シェイクスピアの人生について映画化したものは少ないので有難い。
現在でこんなシェイクスピアみたいな人がいたら完全に毒親だけど、時代だよね。
最期に腐ったニシンから感染症を起こして亡くなったエピソードは描かないのか…

邦題が“シェイクスピアの庭”とあるが、最後に庭は完成したのかな?作中で頻りに“All Is True”を強調していたので、邦題も素敵だがここは原題を尊重してほしかった。
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