メイマーツインズ

燃ゆる女の肖像のメイマーツインズのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
4.2
《残る五日間、すべてを、この目に焼き付けた…》

フランス映画の話題作。
Filmarksでも高評価でずっと気になっていた作品。
ただ、同性愛を描いたこの作品を受け止める自信がなく…
”ブロークバック・マウンテン〟”キャロル〟で抗体をつけ、満を持して。
WOWOWで初鑑賞。


18世紀のフランス・ブルターニュの孤島を舞台に、結婚を望まない貴族令嬢エロイーズと結婚のために彼女の肖像画を依頼された女性画家マリアンヌとの5日間の儚い恋を描いた物語。


フランス映画の良さが詰まっている。
エロイーズとマリアンヌが交わるシーンが恐ろしいほど美しく、官能的で…
祭りで女性たちがアカペラで歌うシーン、神秘性に圧倒される。
この歌はエンドロールでも流れるが、2人の内に秘めた激しい想いを表現しているようで素晴らしい‼︎

二度の再会シーンは、エロイーズのマリアンヌへの想いが伝わる、フランス映画らしい最高の演出といえるだろう。

”ブロークバック・マウンテン〟”キャロル〟そして今作”燃ゆる女の肖像〟の3作品は、愛には様々なカタチがあるのだと教えてくれる。
偏見があった訳ではないけど、先入観があったのは確かで…
3作品で今までの自分の価値観、人生観をアップデートできたように思う。

フランス映画らしい芸術的で詩的な描写、明快な表現ではなく感性に訴えてくる、観る人を選ぶ逸品です。