スレイマン監督の観察者としての視線で描かれている。
敢えて全体の意図を提示せずに断片を集めてつないでいるのではないか。
スレイマンの正面からのカットの連続。観客は観察者としてのスレイマンの観察者となる。
今、この世界ではこんなことが起きている。それをどう考えるか。答えはそれぞれの観察者が持っている。
社会制度のイマイチな作用としての人の振る舞いに辟易するも、人と人が正面から対峙すれば隣人となる。最後は隣人の思いやりでこの世界は救われる。あなたは隣人となるか、観察者に留まるか。真っ直ぐこちらに向いているスレイマンがそう問い掛けている感じがした。