ヤマト

悪人伝のヤマトのネタバレレビュー・内容・結末

悪人伝(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

【 善悪融合 】
 本作は、しばしば対極なもの同士が融合するのが特徴だ。中でもやはり、善と悪の融合がその代名詞ではないだろうか。
 刑事と悪人が手を組み、連続殺人犯を追う展開は見どころ満点だし、あの緊迫感がたまらない。グサリと刺したかと思えば、グチャッという鉄拳に、ブォーっとカーチェイス。これもまた恐ろしいバイオレンスだった。特にチャン(マ・ドンソク)が、食事会で自分を罵る男に鉄拳制裁するシーンは壮絶であった。
 追う、とにかく追う。異常な行為への怒りと、遊び半分で絡まれたことへの落とし前の執念は半端じゃない。最後の刑務所までの追跡には思わず同情してしまう。チャンが本当に嬉しそうな表情を浮かべていた。あの後の展開が流れなくて、ある意味良かったのかもしれないし、こちらの想像に任せてくれる展開もまた面白いと思った。
 凛々しく情熱的なチョン(キム・ムヨル)もすごくカッコいいし、一際美しくてついずっと目で“追って”しまう美人捜査官も良かった。サイコパス演じた、キム・ソンギュの狂気的なオーラが凄まじかったのは言うまでもない。
 話を戻すと、磁石のS極とN極が強烈に引き合うように、対極と思われるものを組み合わせると強烈な科学反応と奇跡が起きることが分かった。あの強烈なふたりが組んだからこそ、事件が終着したのだから。善と悪が融合して、凶を裁いたのだ。
ヤマト

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