ねるねるねるね

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 完全版のねるねるねるねのレビュー・感想・評価

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4,5年振りに再鑑賞。上映時間とその内容故、同じく犯罪映画の金字塔『ゴッドファーザー』以上に鑑賞には労を要したが、途中で話のわけがわからなくなって飽きが来てしまった前回と比べて、今回は終始作品世界に引き込まれた。

カメラワークと音楽のクオリティの高さから、全体的に見れば日本劇場公開時に冠された「映像モニュメント」というフレーズが腑に落ちたが、露骨な性描写の多さには辟易した。制作当時は今ほどその辺りのことは蔑ろにされていただろうし、(本作のことではないが)監督のレオーネも作品制作のためなら自身を道路管理局の者だと偽り他人の家に無断で侵入してその家の庭にある木を切り出す(作中で登場させる首吊り用の木を欲しがっていたらしい)ような倫理観がイカれたような人物なので、そのことを考えるとやはり手放しで作品のみを評価することはできない。

ソフト版の吹替でデニーロの声を担当した隆大介の演技も落ち着いたトーンでの喋りが好印象であり、テレビ朝日版でデニーロを演じた津嘉山正種の声や演技と近しいものを感じた。