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小さな同志のTOTのレビュー・感想・評価

小さな同志(2018年製作の映画)
3.7
‪スターリン政権時代ソ連占領下のエストニア。
母の連行、少年団への憧れ、NKVDの恐怖、ロシア人への嫌悪。
いい子にしてれば母は戻ると信じる少女の笑顔は、真実を知るにつれて失われ、父や大人たちは苦しみに耐える。
いまだ影を落とす暗い歴史の抑圧が、見終えても重い。‬
ってか、エストニアで捕らわれてシベリアまで送られてたのか…ひどい。
叔母さんとこに来るロシア人女性が、いかにも共産主義で横行した賄賂せびりだなって思った(叔母さんがロシア人はもっと立派なはずよって言うのは嫌味だよね)。
主人公のレーロがあまりに天真爛漫なので色々はらはらするが、徐々に子供らしくいられなくなることに憤りを覚えるようになる。
あと、お父さんめちゃカッコいい。
ご本人の自伝を基にした映画とのことで、あくまでレーロ中心の描き方で、父や叔母など大人サイドの心情や行動をあまり描き込まないも、子供時代の視点や不安に忠実であろうとしたんだろうなと思えた。
物足りないっちゃぁ物足りないけどね。
そんな中でも、父が走るシーンは、我が子と自分を守るため彼が口にするのも禁じられたスポーツの情熱を見せて印象的。
後に、教えることすら奪われる彼の一瞬の輝きと喜び、それをレーロが子供ながらに目に焼き付けたことも思わせる良いシーンだった。
全然関係ないけど、タリンはフィギュアスケートの試合がよく開催されるので、なんとなく親近感がある都市です。
綺麗な街だね。
はぁぁしかしエストニアの現状を考えても、‪ソ連っていうかロシアっていうか共産主義と独裁政治てめコンニャローって気持ち絶えぬな…‬。

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