ごんす

スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼のごんすのレビュー・感想・評価

1.0
前作終盤で時を止める能力を発動させた北川景子とそれに伴い到着が間に合った無能警察達の活躍もあり何とか犯人を捕まえたのに…また同じ場所で女性の遺体が見つかる!
そこで警察は前作で捕まえた変態殺人鬼に今度は捜査協力をさせようというアツいレクター博士憧れモノ。

   【前作を超えた部分!】

前作で何の魅力も感じないと思った被害者カップルの二人を演じた田中圭と北川景子が冒頭再登場し頬が緩む。
二人の結婚式に招待される形で犯人を捕まえた千葉雄大演じる加賀谷くんと加賀谷くんの恋人(白石麻衣)が今回のメインキャラクターの様子。
何の魅力も感じないキャラクターなんて言ったものの“スマホを落としただけ”なんだから巻き込まれただけの人なわけで彼らの人間性などは本来重要ではないのかもしれませんね。
だったらつまらないドラマを長々と見せるなよとも思いますが。

結婚式で浮かれている北川景子がニヤニヤしながら「次はお二人ですね」と言ったせいで千葉&白石カップルは気まずい空気に。
無能警察の希望の星である加賀谷くんは日々忙しいんです!本来こんな結婚式に彼女を連れて出席するだけでも相当な人格者ですよ?
そんな加賀谷くんに向かって彼女が「ここでキスして!今すぐ!」「全然将来のこと話してくれない!」など無茶苦茶言ってきます。
そして「私のこと彼女登録して」という意味不明なことも言い出し(聞いてると普通に上司に自分のこと話してほしいという意味だった)
モジモジしてる加賀谷くんに対して「私たちこれっきりにしよう」と吐き捨て去っていきます。
その後彼女は友達(柰緒)を呼び出し「別れようって言ったら彼が追いかけてくれなかった」とギャーギャー文句を言っていてヒロインの魅力の無さという点では早くも前作を超えました。

  【春の無能警察祭り】

今回は囚人に捜査協力を求めるレクター博士パターンですので当然脱出されるのでは…と心配せずにはいられません。
囚われの殺人鬼の見張りの意地悪刑事をアルコ&ピースの平子さんが芸風そのままに演じてくれています。
食事に虫やオシッコを入れて出してくる昔のアメリカ映画の看守みたいなイジメなど大活躍!
当然彼のせいで大変なことになります。
もう奴が世に放たれることはないと前作の被害者の田中&北川に約束したのに…
この辺はツッコミ所のある映画が好きな人には堪らないと思います。 

一応、殺人鬼さんも約束した分の仕事はしてくれたので
・犯人の顔が分かったぞ!(殺人鬼の手柄)
・しかし囚人の殺人鬼には脱獄された!(警察のせい)
・白石麻衣が危ない!(警察のせい)

気が付いたらこんな風な派手な展開が出来上がりラストに向かって爆進していきます!
勿論どんでん返しも用意してくれています。
これだけの展開を作り出せる無能警察は脚本家にとっても諸刃の剣なのかもしれません。

しかしトンデモ日本映画に関しては使えるカードが無能警察やハッカーとは別に「公安」という何でも解決してくれる切り札もあるのでお手上げ状態です。
どんな脚本でも何度かブラッシュアップする機会があるはずですがこのシリーズは一体…。

 【この映画からの気付き】

白石麻衣が演じた女性キャラクターは色々とデフォルメされていて、ターゲットとして殺されそうになるのはお話の流れで理解できるけど何故か犯されそうになったりするのは本当にいらなかった。
やっぱりホラー、サスペンスって男性主導のポルノ的なジャンルという側面が切り離せないのかと胸糞悪さが残ってしまう。
しかもこういうのってある程度作品として面白かった上で「でもあの表現はどうなんだろう」と考えたいのにつまらないくせにちゃんと有害というのは珍しい。

皆が好きなはずのバディ、所謂関係性萌え?みたいなものも「今度は俺とバディ組むか」と口に出されるとこんなに恥ずかしいんだという発見があり観て良かった。

プロポーズされた白石麻衣の返事が「断る理由がないわ」と突然昭和のお嬢さん口調になったのも驚きで加賀谷くんも“男らしく”誰に見られても構わねぇ!と言わんばかりにキスをぶちかませるように。

ここまで来ると最終章、劇場に行きたくなってしまった。
ごんす

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