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アウシュヴィッツの女囚のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

アウシュヴィッツの女囚(1948年製作の映画)
3.7
【暴力は続くよどこまでも】
MUBIで『アウシュウィツの女囚』を見つけたので鑑賞した。予告編を観た感じ『パサジェルカ』さながらの強烈な画だったのだが、本編はそれ以上のパワフルさを持っていた。

物陰からタイミングを見計らって飛び出す。しかし、すぐに引き返し物陰に戻ってくるが、後ろから親衛隊に捕まり収容所へと送られていく。収容所では膨大な人数が、過酷な強制労働をさせられていた。長時間立たせられる。体力切れで膝から崩れ落ちる者がいると激しく罵倒される。それは老婆でも同様で「この老いた牛め」と罵られる。瓦礫まみれの空間の中、カメラはパンしていく。大勢が巨大な丸い鉄を動かしていたり、レンガのようなものをバケツリレーしている。その中を看守が鋭い目つきで歩き回り、ターゲットにされると暴力の被害に遭う。これを100分延々と描いていくのである。陰惨さの見本市となっている本作はホロコーストの凄惨さを伝える強烈な教科書となっていたのだ。
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