Yuuki

イップ・マン 完結のYuukiのレビュー・感想・評価

イップ・マン 完結(2019年製作の映画)
4.8
詠春拳を極めし武術家イップ・マン師匠は息子の留学先を検討するために米国を訪れる。留学には中華総会の紹介状が必要だが、会長ワンはイップ師匠の弟子ブルース・リーが欧米人に中国武術を教えていることを良く思わず、拒否する。そんな中、イップ師匠は中国人たちが異国で生きるために様々な苦境に立たされている現実を知る。やがて米国人とのいざこざがエスカレートして…な話

最高の格闘アクション+ヒューマンドラマ「イップ・マン」シリーズの大完結編。くぅ〜。最高最高最高。ありがとう、イップ・マン師匠…ありがとう、ブルース・リー…。今回は「3」みたいなマイク・タイソン出演で無理やりバトルさせたようなつぎはぎな展開は無く、60年代にアメリカに根強く残っていたアジア人差別問題を下敷きにして、全ての戦いに必然性と勝たなければならない理由をしっかりと作り上げる構成が完璧。イップ師匠の、武術を通して人を助け合い分り合おうとするヒューマニズムと、不公正に対して毅然と立ち向かう人生をかけて求め続けた勇気とそのパワー、まさに完璧な人間…。人間賛歌は勇気の讃歌!人間の素晴らしさは勇気の素晴らしさ!そんなことを教えてくれましたね

バトル描写ももちろん最高で、近年の格闘映画の中でも群を抜いて美しくカッコいい戦いの連続!本当に蘇ったかのようなブルース・リーの超高速バトルとヌンチャクさばき(これは最高のサービスシーン過ぎるあまり笑ってしまう)、太極拳や蟷螂拳など様々な武術が飛び出しつつ、イップ師匠が武舞台に上がるまでのお膳立てをキッチリ作り上げてくれるのも素晴らしい!中秋節の戦いはマジで小さくガッツポーズしてしまうほど気持ちいい…!さらに、分かりやすい差別主義者の悪役軍人にスコット・アドキンス…彼はこういう役をやらせるとマジで跳ねる!本当に「完結編」にふさわしいほどの完成度でした。イップ師匠の志、永遠なれ…敬具
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