シュトルム凸映画鑑賞記録用改め

魔女見習いをさがしてのシュトルム凸映画鑑賞記録用改めのレビュー・感想・評価

魔女見習いをさがして(2020年製作の映画)
3.9
単純な、女児向けアニメ「おジャ魔女どれみ」(未見)のキャラクターたちの○○年後のスピンオフという予測で観に行ったら、実は、あくまで「おジャ魔女どれみ」はアニメーションで、それを子供の頃に見ていたオトナの女子三人のドラマというメタフィクションなアニメだったのは嬉しい誤算。てか、エモいよこの構造。作中でも、どれみたちはあくまでアニメのキャラクターであり、魔法は絵空事だが、リアルな世界で懸命に生きる女子たちにとって一つの生きるよすがになっているというのが、そこはかとなくリアルで、魔法は誰にでもあるとか、生きる力こそ魔法であるとか、発信されるメッセージは言葉にしてみればチープだが、仕事や家庭や将来や恋など、悩み事があくまでオトナの視点で描かれるので、自然と、絵空事っぽいチープメッセージに立ち戻る視線がノスタルジックで優しくなる。どれみファンの女子同士でもぶつかり合い、喧嘩したりもするけれど、幼女だった自分の想いと想いでには優しくなれるから。
あくまで、おジャ魔女どれみは作中でもアニメという前提があるので、最後の方のマジックリアリズム気味の展開が不意打ち的で実にエモく感じられた。そこに幻視される光景にあはっ、と声を上げたくなったのである。これは、リアルタイムにアニメを見て来た女子にはもっと響くことだろう。
コロナ禍下で、旅行に行けない人にとっての、バーチャル観光になってる点も良かった。