時間の概念を根底からひっくり返される、スケール大きめのタイムサスペンス超大作。
そして前評判を裏切らない難解すぎるストーリー。
本作のキーワードは『時間の逆行』ですが、そもそも『順行』の時間軸で生きる私達にとっては、まずそのムズめの設定と目の前で繰り広げられるシーンを頭の中でリンクさせながら観るのがとにかく大変。
しかもこのTENET、さすが製作費2億ドル費やしているだけあって、終始ド派手かつスピード感のある映像の連続で、とりあえず本筋を追うだけでも必死です。
途中まで頑張っていましたが、クライマックス付近で完全に頭がバグったので、ただただ映像のみに集中。
でも大丈夫。ラストのラストで本筋の回収はしてくれます。
だから何となく理解できた、で終われると思います。
この作品のすごいところは、この「なんとなく」で十分楽しめるところ。
もちろん食らいついて観ないと完全に置いていかれますので、この「なんとなく」は最後まで手放さないでください。
ノーラン監督自身が｢本作は映画の力で観客の皆様を非日常的な旅に連れて行く作品だ｣と仰っている通り、この圧倒的な世界観の中では緻密なストーリーの難しさ以上に、新感覚へ没入するワクワク感の方が上回ってくれます。
なので「何かすごいものが観れるらしい」くらいの気持ちで足を運んでいただいて問題ないと思います。
あとは考察読めば色々とクリアに。
ひとつだけ、本作は断然劇場での鑑賞がオススメです。
映画はお家派ですが、久しぶりに大スクリーンで観る喜びを味わえましたので、、できればIMAXでどうぞ。
『メメント』『インセプション』『インターステラー』を彷彿させる典型的なノーラン作品ではありますが、それ以上に今の監督の集大成を感じさせてくれる新境地的1本でした。
