けーはち

ホームステイ ボクと僕の100日間のけーはちのレビュー・感想・評価

3.5
アニメ映画にもなった『カラフル』のタイでの実写映画化。罪を犯した魂が自殺した肉体に“ホームステイ”するのは原作通りだが、その最終目的が「前世の罪を思い出せ」ではなく「この肉体の持ち主が自殺した理由を100日以内に解明せよ」に。映画中盤では目的より青春謳歌を優先する展開もあるが、サスペンス/ミステリーな作風にホラー寄りの演出多用(遺体安置室から蘇る場面に始まり、主人公を多彩な姿で追い込む天使、時限を示す砂時計、悪夢や恐怖のフラッシュバック、家族の不穏な緊張感、自動車事故など)でアニメ版とは大分作風が異なり、ハラハラドキドキエンタメの密度を高めている。ただ、その外側からの衝撃的緊迫感が続くゆえ、何気ない日常の中で自分を見つめ直す内観が弱く、前世の罪業→原作のオチへの繋がりが弱いのは難点。ヒロインはBNK48のキャプテンでなかなか美少女だが、彼女が科学オリンピックに出てメダルを獲る秀才となる改変は、日本の爛熟した怠惰さとは一線を画すタイらしいハングリー精神(かも?)。