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ミッドサマーのwksgknchのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドサマー(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ミッドサマーとは、スウェーデン語で夏至祭の意。
綴はmidsommer(ミィドソンマル)

ヘレディタリーで知られたアリ・アスター監督作。
へレディタリーは未見です、予告で観たけど、怖かった。。。

ホラー映画としては新しいかもしれない。不穏さは冒頭からある、不気味な笑顔や入ってはいけない場所など、普通のシーンの延長にホラーが突如降りてくる、それが全て見えている、明るいから、それは新鮮だった。明るくても、怖い。

精神的に病んだダニー(主人公)が彼のクリスチャンと友人達とミッドサマーが催されるスウェーデンの街を訪れる。緑や花々に溢れ、皆白い服をきて、眩しい、幻想、ユートピアの風景。
白夜といういつまでも明るい世界も相まって余計にそう感じさせる。

曜日感覚を失わせる運び、勿論若い登場人物達は酒を飲み葉っぱも吸うし、すでに正常な感覚を逸脱している、トリップしているわけです。

それでとても印象的なのは彼らが街へドライブしていくシーン、
街に着く直前で反転する、逆さまの映像になるのです、ここからは別世界ですよ、という忠告。

祝祭に参加して序盤は興味もあり楽しむも、徐々に異様な祝祭であることに気づいていく。
異様とは僕らの世界からの視点で、彼らにとっては普通のこと。
次第にダニーと周りの関係も崩れ、すれ違い、何も信じられない状況に置かれる。
反対に村に人々には受け入れられる。

儀式とは、ふるいで、どこまで受け入れるか、それが能動か受動かはさておき、心が不安定なときにそれはするりと入ってくる、救い。何かに依存するというのはとても楽で、言われるがまま考えなくて良いので、それがどこかで善いことになる、価値観が転倒する。
最後のダニーの表情、イニシエーションした感ありました、怖い。

ダニーを演じたフローレンス・ピュー、良かった、今後も話題作に続々出演するので、楽しみ。
ウィル・ポールター、本作でも憎まれ役ですが、完璧です。

HPには解説があるので、それを観ると「なるほど」となります。
観てから!これ大事。
北欧神話に詳しい人も色々分かるかも。

ただ私は没入できなかった。。
客観的に観たときにはシンプルな感想となってしまう。
映画としては面白いです。評価が分かれそう。

劇中で「こういう文化なんだ、受け入れないと」、と語る彼の言葉を聴いて、デスノートを思い出した。キラを肯定する社会や仲間に対して、「キラはただの殺人者です」と説く件。
(正確な台詞ではないです)
理解はできるけど、それでも、そういう境界線は置かれた立場や境遇で驚くほど違いがあり、
それを受け入られるか試されている、そういうことか。
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