イホウジン

僕たちのキックオフのイホウジンのレビュー・感想・評価

僕たちのキックオフ(2009年製作の映画)
2.8
全体にぼんやりとしていて、掴み所がなかった印象。

スポーツとナショナリズムの危うい関係性や難民スラムの過酷さと裏腹の人情味のあるコミュニティの形成など、色々な要素を詰め込んでいる。大会で手製の五輪旗を掲げるところは考えさせるものがある。

ただ、それらの要素同士の繋がりが薄く、統一感のない映画であった。起きている出来事自体はいいが、出来事同士が絡み合い映画として成立していく中で微妙に不協和音を起こしているような感じだった。群像劇の感じも色濃かったが、誰にフォーカスした表現なのかが常に曖昧で観ていて全体像を捉えることが最後までできなかった。

ラストは黒澤明監督チックな演出で目に焼き付く。
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