チッコーネ

トラブル・ウィズ・ユーのチッコーネのレビュー・感想・評価

トラブル・ウィズ・ユー(2018年製作の映画)
3.5
全体的に軽くシュールなコメディ調だが、メインキャラのシリアスでシビアな関係だけは最後までキープ。
特筆すべきはメロドラマに流れない脚本で、雑多ながら腰の座った演出力がユニークだった。
母から息子への寝物語が栞代わりに機能しており、その狭間は山場の連続…、ヒロインの自宅と職場の周囲に在るロケーションが、さまざまに登場する。

ノンケヒロイン役のアデル・エネルは未亡人のよろめきすら表出してみせるが、モノローグに入ると独特のエキセントリックな立ち居振る舞いが顔を出す。
どんな映画でも、常に居心地が悪そうなその表情からは、目を離しがたい。
彼女とオドレイ・トトゥの絡みは一場面だけ、しかし競演が新鮮だった。
落ち窪んだ目が印象的なピオ・マルマイは、パッと見たところハンサムではないのだが、不思議な魅力…、加えてガチムチの裸体がもの凄くエロい。
そして俳優業もこなす監督と、雰囲気がよく似ている。