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アザーズのkuuのレビュー・感想・評価

アザーズ(2001年製作の映画)
3.7
『アザーズ』
原題The Others.
製作年2001年。上映時間104分。

ニコール・キッドマンを主演、トム・クルーズを製作総指揮に迎えた(この作品は、彼とニコール・キッドマンが離婚する前の最後のコラボレーション)米国・スペイン・仏国合作ゴシック・ホラー。

1945年、第二次世界大戦末期の英国、チャネル諸島のジャージー島。
グレースは、この島に建つ広大な屋敷に娘アンと息子ニコラス(アラキナ・マンとジェームズ・ベントレーは、5,000人の子供たちから選ばれたそう)と3人だけで暮らしとった。
旦那は戦地に向かったまま未だ戻らず、今までいた使用人たちもつい最近突然いなくなっちまった。
屋敷は光アレルギーの子どもたちを守るため昼間でも分厚いカーテンを閉め切り薄暗い。
そこへある日、使用人になりたいちゅう3人の訪問者が現れる。
使用人の募集をしていたグレースはさリー即彼らを雇い入れるが、それ以来屋敷では奇妙な現象が次々と起こりグレースを悩ませ始める。。。

スペイン映画界で活躍するアレハンドロ・アメナパール監督のハリウッド進出作。
きっかけをつくったんは、アメナバール監督の前作『オーブン・ユア・アイズ』 に惚れ込んだトム・クルーズだそうです。
彼はこの年、本作と『オーブン・ユア・アイズ』のハリウッド・リメイクで ある『バニラ・スカイ』 (キャメロン・クロウ監督)を製作、 後者では主演もこなしてる。

グレースの子どもたちが太陽光のアレルギー病を患っているちゅう設定やし(この病気は、基本的に日光に非常に敏感な色素性乾皮症として知られている実際の病気です。世界でおよそ1000人ほどの難病非常にまれ)、本作は、ほぼ全篇を通じて、カーテンに覆われた薄暗い屋敷のなかで物語が展開。
光と影のコントラストが織りなす映像の美しさはは、 モノクロフィルムの陰影が荘厳さを際立たせていたかな。
50年代のゴシック・ホラーのみたいでした。
また、何気ない言葉や仕種に暗喩を託しつつ、ラストじゃ驚くべき真実が明らかにされる。
このドンデン返しの構造は、M・ナイト・シャマランのヒット作『シックス・ センス』とも共通するけど、本作品は主人公を脅かす恐怖の正体を『悪』ではなく、痛切な悲劇として結実させてる。
これこそが本作品をそんじょそこいらのホラー映画と決定的に異なるとこかな。
また、それが奥深い作品にしている要因なんやろなぁ。
アメナパール監督は、この美しき物語を、説明的な描写やセリフじゃなく、前述のごとき映像美と自身の手になる音楽で彩っているんが脱帽の域かな。
現代劇じゃ、装飾過剰な印象すら抱かせるニュー ル・キッドマンの美しさがまた、本作品のゴシック風の世界観にはマッチしてた。
アイルランド出身のベテラン女優フィオヌラ・フラナガンがまた凛とした存在感も気品あふれる作風に寄与していました。
余談ながら、2020年10月31日の情報でチョイ古いですが、米ユニバーサル・ピクチャーズが、今作品のリメイクをすることがわかったそうです。
米Deadlineによれば、リメイク版はセンチネント・エンターテインメントのルネー・タブ、クリストファー・タフィン、ルーカス・アコスキンがプロデュースし、エンリケ・セレソが製作総指揮を務め、現在、脚本家の選定が進められているそうです。
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