ジェームズ・マンゴールドが監督・脚本を務めて製作された2019年のアメリカ映画
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1960年代、ル・マン24時間レースで絶対王者であったフェラーリ。そんなフェラーリに勝利し、さらなる会社の躍進を目指すアメリカのフォード。フォードは勝利のためにスペシャリストを集めレースカーの開発を始めるという、なんとも男心をくすぐる内容
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監督は恋愛、西部劇、アクションと幅広い作品を手掛けてきたジェームズ・マンゴールド。実話ベースの物語をどう料理するか興味深いところ。絶対王者に挑むっていうパターンはレースじゃなくても大体テンションが上がるやつだ。でも当時のフェラーリは貧乏でレースに夢をかける会社。対するフォードは金持ちでアメリカから乗り込んできた資本主義企業。見方によっては悪役な気もする。まあ会社はともかく、現場の人間が熱いのがレース。レースは会議室で行われていない、コースで行われているのだ
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アメリカ人初のル・マン覇者レーサーだったシェルビーがフォードのチームを結成する。マット・デイモンが演じているが、傲慢なところと男らしい優しさが滲み出るいい役。いい役者になったもんだ。そしてクセのあるレーサーであるケン・マイルズをクリスチャン・ベールが演じている。一家の長として、父親として、夢見る男としての顔。扱いにくい人物かもしれないが、すごく人間味のある役柄。クリスチャン・ベールはいろいろクセのある役を演じてきたけど、この役は個人的にはかなり好き。ケンの奥さん役のカトリーナ・バルフは色気がありすぎてすごいね。ケンの息子役のノア・ジュープは最近よく見かける子役。この子はいい感じにステップアップしている。将来が楽しみな俳優
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フェラーリとフォードの対立というのはもちろん面白いし、シェルビーのチームとフォードとの関係やシェルビーとケンの関係性、ケンと家族の繋がりなど内容が結構詰まっている。レース映画はレースで勝って終わりという単純なものになりがちなのだが、この作品はちゃんとヒューマンドラマに仕上がっているのがポイント高い。レースに勝つという目標がしっかりしているので、見ている方も分かりやすい。F1とかよく見ていたのでレースは好きだ。ル・マンなんて見る方も倒れそうな耐久レースで、最後は感動するに決まっているのだ。まあ実話ベースなので、実話にそった内容にはなっているのだが、それは見てのお楽しみ
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フォードのマスタングもフェラーリも男の子が憧れるスーパーカーだ。レースは男のロマン。そんなロマンがぎっしり詰め込まれた作品。個人的にはスーパーカーよりレースクイーンの方が好きなのだが、それはまた別のお話