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アナ&ヴィトリアのBATIのレビュー・感想・評価

アナ&ヴィトリア(2018年製作の映画)
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記録。不思議な作品だった。自由恋愛を繰り返しながらデュオである二人は音楽を通しての関係だけがあり、一番お互いを理解している。それは性愛ではない。ジャンルはセミ・ミュージカルといった体でも「her」の向こう側の存在している自我が見えるような作品だった。

実際のデュオであるからそれは音楽も相性もバッチリなのだけど、曲も歌詞も自由にフローティングしていて、音楽シーンもシームレスに入ってくるのに自然に聴き惚れてしまう。「オルフェ」もそうだったね。ブラジルの音楽文化の体幹の太さ...。

SNSと「リアル」が共存している演出に薄ら寒い怖さを感じつつも、既に我々の現実もこうだよなと思うが、ここではSNSは否定されるものではなく音楽と同じで自分が自分らしく自由になるためのツールなんだよな。それはパーティもステージも恋愛もセックスも同じ役割のもの。

「キャロル&チューズデイ」の二人もこれくらいの自由さと距離感、自立していたらよかったのになぁと思ってしまった(あっちはこのまま見続けるか悩んでおる)。

(今回は未採点とします)
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