もりあいゆうや

バースデー・ワンダーランドのもりあいゆうやのレビュー・感想・評価

2.9
王道のファンタジー。
王道の行きて帰りし物語。

クリッとした目が印象的なキャラクターデザインは、ロシア出身のイリヤ・クブシノブ。
この人の作品、もっと見てみたい。
また原恵一監督と組んでほしいし、なんなら違う監督の作品でもいい。

矢島晶子&藤原啓治という原恵一作品お馴染みのキャストも健在。
ただ、二人とももう現『クレヨンしんちゃん』のキャストではないんだよなぁとしみじみ思う。
『クレヨンしんちゃん』といえば、小ネタで骨董屋さんにしんちゃん人形が置いてあって、それが結構な存在感だった。

最初に主人公のアカネが学校を休む朝のシーンと、回想の形で学校を休む理由となった昨日の小学校での出来事が描かれる。
その小学校での出来事が妙にリアルで胸が痛い。
この時点で、この作品、大丈夫かなぁと心配になる。
結果的にいうと、
「映像のクオリティは申し分ないが、何か今一つ面白さに欠ける」というのが劇場版のオリジナルアニメ作品によくあるんだけど、この作品も残念ながらその域を出ていない。やっぱりストーリーなのかなぁ?


アカネは内気な性格で、自分から進んで行動するような子ではなく、周りに押される、巻き込まれ型の主人公として描かれていたけど、急に最後で良いことを言いはじめるから、ちょっと興醒め。ワンダーランドに行ってから、色んな出来事があったけど、あんまり成長している感じがなかったし。
最後にその流れでとあるキャラがイケメン王子に戻るんだけど、これもまあ、お約束過ぎて。。
青い鳥文庫の原作に何を求めているんだっていう話かもしれないけど。

逆にアカネと対になるキャラのチィ叔母さんは良かった。裏主人公といえる存在で、ストーリーを引っ張ってくれる。
ワンダーランドの存在を知った時のリアクションも新鮮で良かった。

他に良かったシーンといえば、
クライマックスにメインテーマが流れるタイミングがベストだったっていうのと、
猫になったアカネが可愛かったのは良かった。



原作は未読だけど、これってつまり母親が、そういうことですよね?