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ファイブ・ウォリアーズのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

ファイブ・ウォリアーズ(2017年製作の映画)
3.0
【あなたの知らないワガドゥグ映画祭の世界】
今年は、『マルリナの明日』、『ゴールデン・リバー』、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』とアメリカ以外の国が作る西部劇が公開されまくっていますが、今年の初めに南アフリカ製西部劇『ファイブ・ウォリアーズ』が公開されてました。南アフリカだから、ボボティー・ウエスタンとでも呼んでおこう。

本作は、評判も悪く、確かに見辛いシーンの多い困った映画ですが、アフリカ映画史においては割と重要だったりします。

なんといってもワガドゥグ映画祭コンペティション作品なのです。『ブラックパンサー』さながら、ブルキナファソは隠された映画先進国で、アフリカ全土の映画保全を担う施設や映画学校が整っているのはあまり知られていない。アフリカ最大の映画祭ワガドゥグ映画祭もブルキナファソで開催され、今年は50周年を迎えました。そんな映画祭に出品された作品がこれなのです。

しかも、本作はアパルトヘイトの邪悪さ、白人の黒人支配に対する批判をマカロニウエスタンのタッチで描くことで、娯楽性と白人批判を共存させる表現技法を確立させているので、非常に重要だ。

まず、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』のオマージュから入るのですが、銃ではなくパチンコで行うところに観る者は惹きこまれます。

そして、白人と黒人の軋轢による憎悪が増幅され、最後には血みどろな戦いが起きます。役者が日本では知名度低い為、誰がいつ死ぬか分からないハラハラドキドキ感がありました。

これは中々面白い西部劇でしたぞ!
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