NAOKI

ザ・マミーのNAOKIのレビュー・感想・評価

ザ・マミー(2017年製作の映画)
3.8
これはひどい!
おれは頭に来てるぞ!
誰か知らんがバカじゃねぇのか?

まず言います。
この映画…傑作です!

でもね…このタイトルでこのジャケ写!
デルトロ先輩やキングさんが誉めとる!
想像を絶する恐怖!
誰だって期待するよね…ある種の映画を…
「ヘレディタリー継承」より怖いかな?
ワクワク…
ホラー好きは飛び付くし、ホラー苦手は絶対に観ない…

観てビックリ!
全然違う映画じゃないか!
他のフォロワーの皆様が…
「全然怖くはなかった…」
「思ってた映画じゃなかった…」
そうボヤくのも無理はない…これだけよってたかって騙されたら…誰だってそりゃミスリードしますよ…
驚いたことにこのフィルマの「あらすじ」も予告編もこういうミスリードをさせるように作られている!
バカじゃねぇのか?考えられへんぞ!

だけどさ…あまり出来のよろしくない映画をミスリードさせて客を呼ぶのはわかるけど…こんな傑作を全然見当違いのミスリードで客呼んでいったい誰得なんだ?アホか!

タイトルの「ザ・マミー」はどっかのバカがつけた邦題…
原題は「vuelven」スペイン語で「戻ってくる」の意味…英語タイトルは「虎は何も恐れない」

これは最悪の治安に陥ったメキシコの町で親を失ったストリートキッズたちのお話なのだ…

確かにホラーやダークファンタジーの体をとってはいるが…その内容とテーマは…

「シティ・オブ・ゴッド」
「パンズ・ラビリンス」
「シカリオ(ボーダーライン)」
「火垂るの墓」
「この世界の片隅で」

などと肩を並べる傑作だよ!

「近年で最も斬新で最も怖いホラー!」
(ギレルモ・デルトロ)
観た人なら分かると思うが…先輩が言いたかったのはみんながこれを読んで感じることとは違うことだ…それをミスリードの材料に使うなんて恥を知れよ!

「傑作!2分で目が離せなくなる!」
(スティーブン・キング)
これもミスリードに使いやがって!

映画の冒頭…おれが説明してやる!

まだあどけない少年にしか見えないストリート・キッズのリーダー・シャイネ
小便をしているチンピラの背後からスマホと拳銃を盗み…あろうことか射殺しようとする…でも果たせず男は気付かずに行ってしまう…拳銃を握りしめたまま座り込んで泣くシャイネ…

主人公の少女…エストレヤ
学校で授業を受けている…突然!校内で銃撃音が響き渡る!生徒たちは素早く床に身を伏せる…怯えているが日常茶飯事なのか身のこなしに慣れが見える。
床に頬っぺたをべたっとつけたエストレヤの目の前を黒い甲虫が這っている…
エストレヤは一瞬その虫に心を持っていかれたように見える…

これがアバンタイトル…おれも「これは傑作だ」…と確信しました…

ジャケ写…おれが考えてみたよ…
シャイネがスプレーアートで描いた大きな勇ましい虎のイラストの壁…
それをバックに並ぶストリート・キッズたち…ぬいぐるみを抱えたモロもいるよ!そしてその壁に描かれたかのようなスプレー文字のタイトル…
「虎は何も恐れない」…

何故こうしなかったのか?
作ったヤツがこの映画を観てないか…映画というものを全く分かってないバカ!か?だからだよ!

とにかく何もかもがこの映画の本当の姿を隠そうとし、「ただのメキシコ製のホラー映画ですよー」と嘘をついている…

何故だ?
美しく悲しく切ない(ちょっとだけ怖い)傑作なのに!

「ママが殺しにくる」だと?
ふざけんなよ!てめェら…映画見てねぇのかよ!バカじゃねぇのか?
NAOKI

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