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黒い司法 0%からの奇跡のayaのレビュー・感想・評価

黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)
4.3
「黒人」に対する差別と偏見が根強く残る白人至上主義の社会において「黒人」がいくら真実を語ろうとも虚偽となり、根拠のない白人の主張が正義となる。冤罪の仲間の味方をしようとすれば自分が罪に問われる可能性があり、仲間を助けることも容易ではない。

数十年前の実話に基づく映画だが、今もなお「黒人」というだけで無実の罪に問われ、死刑執行日を待つ人がどれほどいるのか。特権階級や権力者が優遇され、弱者には冷徹な格差社会を変えるにはどうしたらいいのか。




この映画はアメリカにおける人種差別の物語であるが、日本でも障害者差別、性差別、学歴差別など様々な差別が存在する。もっと些細な日常の中にも女性の結婚・出産、家事育児、男性の稼得責任をはじめとする古い価値観による他人へのジャッジメント、「普通」に当てはまらない人に対しての差別的な視線や偏見は根強い。

弱者が守られ、属性による差別、偏見、社会的排除が解消された社会に生きたい。「黒人」「障害者」「女」などの言葉で一括りにせず、ただ目の前にいる1人の人間として向き合いたいし、向き合ってほしい。

差別や偏見について深く考えさせられる映画だった。
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