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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスのKanaiSatoruのレビュー・感想・評価

4.0
マルチバース・オブ・マッドネスを観ました。

アベンジャーズエンドゲーム後のシリーズ作品をMCUフェーズ4と呼ぶそうですが、この作品は、フェーズ4の中でもスパイダーマンの並んで本命とされる作品で、あのドクターストレンジの第2作目にあたるものです。

なんもんだから、とても期待していたのですが、最初に結論から申し上げると、モヤモヤが残る映画でした🙅‍♂️😔

その前に1つ注意点。
事前にワンダビジョンのスピンオフドラマを見ておかないと意味がわかりません、こちらは絶対に見ておいてください。

本題に戻ります。
冒頭に出てきた最初のモンスターデザインが陳腐すぎてB級映画感がすごい漂っていましたね。
この瞬間から嫌な予感がしていたのですが全編通してその嫌な予感が的中してしまいました🤨

この映画の欠点は、ずばりマルチバースと魔法の組み合わせです。
この組み合わせで、もはや何でもありの映画となってしまい、さらにややこしい設定に観客は置いてきぼりにされてしまいます😣

特にややこしいのは、カタカタ用語で、「ダーク・ホールドを使用してドリーム・ウォークを実行するとマルチバース同士が干渉してインカージョンが起きる」という設定。
カタカナだらけで、用語の意味を理解するために脳みそを使ってるうちにどんどん話が進んでいく。

このカタカタを全てここで説明しませんが、ダークホールドというのは、禁断の書とも言われていてマーベル作品の中では黒魔術の最高書物です。
ダークホールドを使えば、並行するマルチバース(宇宙)の扉を開く(これをドリームウォークという)事が出来る、だから奪い合いにな
る!

ここからネタバレあり


今回のストーリーは、ワンダことスカーレットウィッチがマルチバース間を行ったり来たり出来るようになりたい!
だって子供と一緒に暮らしたから!
(本当は子供なんていないけど、子供がいる別の世界もきっとある)
というワガママな魔女の要求で起きた物語。
そしてダークホールドが無くても「アメリカチャベス」の力を使えばマルチバースを行ったり来たりすることができることがわかったので、チャベスを襲って力を奪うために追いかけているわけです。

この目的を聞いて、なんだかなぁと思ったのは僕だけか?
なぜなら、ワンダは、子供が存在する方の世界で生きれば済む話で、異世界を行き来できる能力まで要らないよね?
一旦、そこの世界を見つけて移住したら、それで目的達成です。
劇中では、子供が病気や怪我をしたときに、病気や怪我をしていない世界に移動するためには能力が必要だ、みたいなことを言っていますが、これって動機が弱くないですか?

それだけのために、こんな大騒ぎして、大勢の人を殺して?
しかも元アベンジャーズですよね?
ビジョンの死について語るシーンも、このストーリーを必然に見せるためにこじつけたシーンと見えてしまいました。

しかもこの映画、ワンダの扱いが酷すぎる。
ここまで暗黒面に落とすか?

途中、完全にホラー映画になっていてサム・ライミに監督を依頼した時点でこうなることが分かっていたと皆が言っていますが、僕はこの監督のせいで、B級映画に成り下がってしまったと思いました😢

ストレンジの魔術に対抗できる敵がもはやスカーレットウィッチ以外にいなかったと言う事かもしれないのですが、そのせいでスカーレットウィッチの扱いが可哀想です。

そしてマルチバースと魔法のせいで、いくつかもの別の宇宙が登場し、コメディー映画に成り下がっています。
イルミナティの存在や登場するヒーローたちなどは、完全に学芸会レベルです。
もはやおふざけB級映画です。

マルチバースと魔法のせいで、この世界観をすごいだろうと、どや顔しているサム・ライミ監督の顔が浮かび上がりますが、はっきり言ってこのようなコメディーホラー映画を求めていたわけではありませんし、ここまで大風呂敷を広げすぎて何でもありにしてしまうと、次の映画が心配です。

1つ良かった点を挙げるとすればストレンジの成長物語にはなっているかなと言う点です。
1人を犠牲にしても大勢が救われればいいと言うストレンジの信念。
それがエンドゲームでトニースタークを(ある意味)見殺しにしたことに通じるわけですが、映画の最後では誰も犠牲にならないような選択肢を最後まで探し求め、それを決断しようとする姿が描かれます。

そういう意味でストレンジの成長物語としての落とし所は良かったのではないでしょうか?

良いところと気になるところがどちらも同じくらい存在するため、個人的にはとてもモヤモヤの残る映画となりました。
点数は80点くらいかな。
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