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天気の子のmimotoxmimotoのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
1.0
好みとかではなく、映画として全然おもしろくない。

走るとか翔ぶとか落ちるとかそういうアクションが完全に死んでいて、アニメーションとして致命的に怠い。感情の昂りとともにアニメーションの昂りを観たいのに、トロくてイライラする。
物語としてもかなり怠い。製作者(大人)の少年少女幻想が酷くて耐えられない。映画の表面的メッセージそのものがブーメランとして製作者に返ってくるのではと思う。子どもたちの不安や苦しみ、そして喜びを表現しているつもりで、ただ「子どもがこういうことしたらいいな〜」という製作者の欲望が子どもを搾取しているだけ。

また、文字通り「世界を変えられる力」を持つ少女が、自らの意思で世界を救おうとすることを製作陣が妨げている。圧倒的に力があるのは少女なのに、結局彼女は少年に救ってもらうほかない存在に乏しめられている。
一人の人間が、自分の持てる力を最大限に発揮して自分の意思で世界を救おうとするのならば、それは何者にも邪魔されるものではないし、物語で尊重されてしかるべきだ。
アイアンマンみたいにね。

世界的なイシューである環境問題に繋げられるモチーフを持ちながら「セカイ系」から抜け出せない貧困な想像力にも辟易。

相変わらず、女性へ向けられる視線は気持ち悪い。作家性として許せるものではなく、ただただ不快。

東京の描写が美しいとか、そんな楽しみ方もできない。現実に見ている街をアニメで”そのまま”観ても何も楽しくない。
何度も映画で観てきた「ニューヨークの摩天楼」を、オリジナリティ溢れる世界観でアップデートして魅せたスパイダーバースとは月とスッポンと言わざるをえない。

モノローグも効果的でない。

よかった点は一つもない。

興行収入に貢献したくないけど、研究材料として観ておきたかったので、貯まっていたTOHOのポイントで観た。
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