たわーりんぐいんふぇるの

マルモイ ことばあつめのたわーりんぐいんふぇるののレビュー・感想・評価

マルモイ ことばあつめ(2018年製作の映画)
4.3
1940年代の京城。朝鮮語の使用が禁じられ、民族の言葉が危機に瀕していた時代に、朝鮮語辞典の制作に情熱を捧げた人々の実話を描いた物語。

「マルモイ」とは言葉集めを意味し、植民地支配という困難な時代の中でも朝鮮語という民族の言葉を守ろうとする人々の情熱と友情を描いた作品で、単なる言葉の収集にとどまらず、言葉と民族のアイデンティティの関係性についても深く掘り下げています。

窃盗で生計を立てているお調子者パンス(ユ・ヘジン)は、朝鮮語に興味はなかったが、朝鮮語の辞典作りに情熱を注ぐジョンファン(ユン・ゲサン)の熱意に触れ、次第に朝鮮語の重要性を理解していく。

主演のユ・ヘジンとユン・ゲサンの演技は素晴らしく、特にユ・ヘジン演じるパンスが、初めて単語を覚えて喜びを表現するシーンのコミカルな演技は心温まる。言葉を通じて、民族としてのアイデンティティが目覚めていく様子が描かれています。
日本語しか話せない子ども、日本語を話せという日本人を見て、アイルランド映画「リベンジャー・スクワッド」を思い出した。植民地支配がいかに民族のアイデンティティを脅かし、壊していく過程を示唆している。
クライマックスからの怒涛の展開はスリル満点です。

最後に、「ハングル語」と言った誤った言葉を目にすることがありますが、言葉と文字の関係で言うと、ハングルは朝鮮語を表現するための記号や記述方法の一形態で、言葉を書き表すための手段です。