まこと

行き止まりの世界に生まれてのまことのレビュー・感想・評価

3.5
「出来る事ならやり直したい」
長い年月を撮るドキュメンタリーはいくらでもあるけど、仲間がずっとカメラを回し続けるって今までありそうでなかった気がする。ドキュメンタリーは時間、とはフォロワーさんの言葉だけど、今作も13年間撮ってきた白人、黒人、アジア系の仲間たちの成長をつぶさに感じる。
それ故、他のドキュメンタリー映画には出来ない表情や踏み込んだとこまで撮ることが出来ている。
愛を知らない女の子、暴力を受けた男の子…みんな親から教わっていないから、自分に子供が出来たとしても選択肢がない。
全米で最も惨めな街、ロックフォードの負の連鎖。
『行き止まりの世界にうまれて』
これ以上ない邦題だし原題の『minding the gap 』も素晴らしい。
地下鉄の駅のホームとかで見かける標語で"スキマに気を付けて下さい"という意味。
果たしてこの映画が問いかける"スキマ"とは。

負の連鎖はアメリカだけじゃなくもちろん日本も、そして世界中でも。
東大に通っている学生の、世帯平均年収は他の大学と比べて高いというデータがある。
残念ながら、この日本ですら生まれた時点で選択肢の数は決まってしまっている。
特にこの数年、世界中で格差を描いた作品が続いている。この曇天模様な世界情勢…いつ晴れ間がさすのやら…。

一応レビューなので上の方で黒人と書いたけど、人を色で判断するのはこの言葉が嫌なのでもうこの数年"白人""黒人"という表現は口頭で言わないよう心がけてます。マイルール。レビューで見かけてもそれは映画の中の表現だから許してつかぁさい。










しかしオバマ大統領の年間ベスト〜とかタランティーノ絶賛〜…みたいな売り文句の映画大体毎年1本はあるぞ。もうそろそろええやろ。あと最近映画界はA24という言葉を使い過ぎ。食傷気味でゲップ出る。ポスターに予告…ちょっといい加減にしてほしい。
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