みりお

Beau(原題)のみりおのレビュー・感想・評価

Beau(原題)(2011年製作の映画)
3.0
アリ・アスター短編作品✨
がんちぇのレビューを拝見して、観たいと思ってたのを思い出しました〜💓
がんちぇありがとう(*´꒳`*)


【ストーリー】

何処かへ出かけようとして準備している男。
さぁ外へ出て家の鍵を閉めよう!と言う段階で忘れ物に気付き、一瞬なら大丈夫だろう…と部屋へ戻り、すぐさまドアに向かうと、鍵も荷物も消えている。

鍵を取られた!と焦り、隣人に「何か見てないか?」と聴くも何故か罵声を浴びせられる男。
そこから鍵を取った誰かが部屋に入ってこぬよう、男は眠らずに玄関の前で番をするのだが…



いや〜わからない‼️
わからないけれど、なんかお母さんにやたら電話してる🤔❓
やっぱ血縁に何か言いたいのか⁉️
と気になりすぎて調べまくったら、これはなかなか面白いぞ…となりました💓
以下、いろんな方の解釈の、自分が賛同した部分のつぎはぎになります💦









-----ネタバレではないけど、考察あるのでいちお線引き--------







この男の特徴的な点は、7分の本編の中で唯一母とだけ会話が成立しているという点だと思います。
他の人には普通に話しかけても、罵詈雑言を浴びせられて会話にならないのに…
この「自分に敵意が向けられている」と感じてしまうのは、強い緊張状態に置かれた時などに感じ得る感覚だそうです。
たしかに多くの人の前でプレゼンとかするとき、黙ってこちらを見ている聴衆が、みーんな自分を試しているようで孤独を感じることありますよね?
その感覚の過大版!!
つまりこの男は、母と話すときだけは緊張せず会話ができているから、罵詈雑言を浴びせられているとは思わず、普通に会話ができるということを示しているようです。
つまり男から母へは異常な信頼感があり、母以上に分かり合える人はいないということ。
50代くらいのいい大人が見せる対人反応としては正常ではないので、男が母に依存していると考えるのが妥当でしょう。

そして母から男へはというと…
男が母の家へ電話したときに流れた留守電がゾワっとするんです。
「ハーイ、愛おしい子。大丈夫よ、すべてうまくいっているわ。」
え、この留守番テープって、他の人も聴く可能性あるんじゃないの💦?
息子へ向けてのメッセージを録音する?
つまり、この電話にかけてくるのは息子くらいしかいないということ。
つまり母も、息子以外に向き合う人がおらず、息子に強く依存していることがわかります。

ここまで観ると母と息子が強い共依存の関係にあることがわかるそうです✨
なるほど〜✨
そしてもっと言うなら、男がクロスワードパズルに何度も書き殴っていたopossumとは、有袋類の動物を指しているそうで、子供はカンガルーのように母のお腹の袋の中で育ち、袋の外に出られるようになってからも、母の背中にべったりと抱きついて過ごす動物として有名だそう…。
ここでも母と子の強すぎる愛情が示唆されてます。

母子の仲がいいのは良きことですが、50代のいい歳したおじさんが未だに独り身で、母と共依存と思われるほどに母にもたれかかっている様子は、この男の精神状態が決して正常ではないことを示していると言っても過言ではありません。
ここからは妄想ですが、やはりこの男にとって"母は特別すぎる存在で、その分その他の存在は彼に取って恐怖でしかない"という精神疾患を引き起こしているのではないでしょうか?
だから廊下ですれ違った人も自分になぜか怒っているし、夜中の物音は大音量で聴こえるし、強盗が押し入ってくる妄想をするし、鍵がなくなったという事実一つであそこまで厳戒態勢を取るのではないでしょうか?
つまりみりおが思ったのは、この作品全編のストーリーが、男の妄想なのではないかということ💦
だから"コルガーン"なんていう鍵集めのモンスターみたいなのが、ラストに映ってくるんじゃないかなぁ?
日常の些細なシーンを、全て疑心と置き換えてしまうことによって起こる恐怖を描いているのだと思います。

じゃあなぜアリ・アスターがそんな当たり前のことを描くのか…
彼のメッセージは、「誰が見ても異常だと感じるこの男の各種の反応は、全て母との強すぎる共依存により引き起こされているものなんだよ。ね、親との繋がり、家族の縁って怖いでしょう?」というものなのでしょう。
血縁から生まれる愛情を、またしても懐疑的な目で見つめて、独特の手法で批判する彼の手腕に、唸らされてしまいました🌀
みりお

みりお