2008年のムンバイ同時多発テロの時に、標的のひとつにされたタージマハル・ホテルで起こった実話をドラマ化した作品。
とても緊張感が高いまま展開してゆくのですが、様々な人間の心境が伝わってくる良作でした。
主演のデヴ・パテルは製作にも関わっていまして、パテルの出世作である「スラムドッグ$ミリオネア」のロケ地でもあるムンバイでの事件(撮影が行われた数ヵ月後にこのテロが起こった)ということもあり、本作への気合いの入れ方が伝わってきました。
共演のアーミー・ハマーやジェイソン・アイザックスも好演しており、また、その他のキャラクターも印象深い方が多く、これはアンソニー・マラス監督の演出が優れていることにも拠ると思います。
今まで全く存じ上げない監督さんですが、手堅い仕上げにしてあると感じました。
平和ボケした日本にいると、海外で起こっているテロや内戦等を実感として感じることがほとんどないのですが、本作のような映画を観ることで少しでも世界のリアルが感じられるのではないか、と思わせてくれる作品でした。
これは観ておくべき映画だと思います。
最後まで客を守るために動いたホテルマン達に心から敬意を表したいと思います。