まちゃん

機動戦士ガンダム 逆襲のシャアのまちゃんのレビュー・感想・評価

3.3
人類の変革の為に小惑星アクシズを地球に落とすというシャア・アズナブルの発想は自己中心的でカルト的だと思った。自らの絶対正義の囚人となり、犠牲になる地球の人々を記号としてしか理解出来ていない。本当の大人としての社会の理解が出来ていないと感じた。一方でこの記号的な醒めた考え方が冷静な権謀術数家としてのシャアを形作ってきた事も確かだと思う。ララァ・スンに対する歪んだ思いも含めてイメージしていたより複雑なキャラクターだった。一方で少年のイメージが強かったアムロは大人になっていたと思う。シャアのようなカリスマ性がない事が逆に地道な組織人としての成長を促したのだろう。「テロリスト」シャアから地球を守る為に戦う姿は頼もしかった。この2人の対決を中心とした戦闘シーンはスピード感があって素晴らしい。お互いに会話をしながら進む戦闘描写は独特のリズム感を生んでいる。宇宙空間で自由自在に動くモビルスーツはデザインも良く魅力的だった。ただ完全にガンダムファン向けの作品なので説明に欠ける描写も多く、初見の観客には理解出来ないだろう。アムロとシャアの戦いの歴史を見守ってきた人にはお勧めの作品だ。
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