まぐろさばお

彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールドのまぐろさばおのネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます

テレビの歴史ものでは味わえない、説明としての歴史ではなく、体験としての歴史。冒頭は白黒の資料映像風に始まるが、戦場に到着すると同時に画角がスーッとゆっくり全画面となる。観客に対して、さて始まりますよあなたもここにいらっしゃい、と言わんばかりに西部戦線に自分も入隊して送り込まれたかのような作り。

教科書には載らない祖父や祖母の体験談を聞いているような意外な話が沢山含まれているし、何がつらかったのか、怖かったのかなどが感覚的な言葉で続々語られる。情報として知るのとは違い、ほとんど戦争を体験してるかのような映画の作りだ。

これが映画の力、これが映像の価値と言わんばかりのピータージャクソンの手腕も見事。ナレーションを一切拒んで時系列の証言のみできちんと戦争準備から戦後まで話がわかるように作ってある「証言のモンタージュ」も見事としか言いようがない。