えむ

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのえむのレビュー・感想・評価

3.7
久しぶりの映画館

事前にチェック出来てなかったので、時間帯がよく評判の良さげなものを……と選んだら、終わって時計みてビックリ。
まさかのRRR並み。笑

もともとミステリやサスペンスは好きで、ネイティブアメリカンの文化や歴史にも興味があって本とか読んだ事があるクチなので、単に題材に惹かれたところはあるんだけど

一言で言うならば、白人がどんどんネイティブアメリカンの領域に踏み込む中で、石油を掘り当てて下手な白人たちより富裕層化をした部族と、懐に入ってその富を虎視眈々と狙う白人の一族による、「黒革の手帖」ってところだろうか。

文字通り、真っ白な顔をして裏は真っ黒な一族。
そこの出で、その計画に1枚噛ませるためにその土地に呼びつけられた主人公と、大きな富を持つ部族の娘。

関係を持ち、家族を持つ中で、裏腹にその財産を狙った計画は実行されていく。


しかし、ほんと、色んな意味で、「私真っ白」って顔した人ほど裏も黒い。

舞台とかでも思うけど、本物の1番極悪なやつほど白いキラキラ衣装で出てくる日にゃあ、「やっぱりこの手のが一番の悪よのう」とか、そんな感覚になるよね。


ただ、気になる点はいくつか。

後半シーンのネタバレ含むから、嫌な人はここでそっと画面閉じてね。



どんどん展開していくのは、この長尺を感じさせずに観られるけど、綻びが出てきた時の一族の間でのお互いの己の保守が始まってからは言い訳というか言いくるめ作戦の連続が半端にダラダラと感じてしまうし

腹黒一族にしちゃあ、壮大な計画の割に実行が変に力技で、穴がありありで、頭悪すぎやしないか。
特に主人公はどこか常に愚鈍にも見える。


最後の最後で標的にされてた奥さんが、それでも正直に話した主人公に、自分に盛ったものの正体を聞いたとき、「インスリン」と答えたの、その最後での不正直さに彼女は去ったけど。

あまりにその前が半端だから(人としてはその方がリアルではあるんだけども)、逡巡でなく、その問いで初めて気づいて色んなものが駆け巡った可能性まで考えちゃったよ。笑


「不正直でまだ穢れが残っている」から別れたのか、「それも気づかないほど馬鹿だったの?」と呆れて去ったのか、もちろん彼女は彼の弱さも見抜いてたと思うから答えは前者なんだけど、一瞬でも考えさせる余地ないくらいには、もちっとサクッとスマートにやっとくれという気持ちがわかないでもなかった。

長尺の割にはそこまで時間を感じさせないのは、流石の力量なんだけどね。

しかしディカプリオ、重量感増したな……
えむ

えむ