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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密のccdfilmsのレビュー・感想・評価

4.0
ミステリー作品。
郊外に住む大富豪で有名ミステリー作家ハーランが死んでいるのを使用人が発見した。親族の聞き取りや状況証拠から警察は自殺と断定していたが、改めて行われた聞き取りの様子から私立探偵ブランが待ったをかける。
アガサクリスティーに捧ぐと監督が言うように、しっかりとしたストーリー展開を見せる。随所に謎や違和感で伏線を敷き、最後にしっかりと回収する見事な王道の話にコメディ要素を絡めて観客を飽きさせずにスクリーンに注視させるので、とても観やすい。開始前に予告でシリアスなボンドを演じているダニエルクレイグがドーナツ話ではしゃいでいるのは必見。とはいえ、中盤くらいから黒幕が見えてくるが結末として二転三転するカタルシスは得られる。というのも、登場人物たちの本性や移民問題など、”殺人事件の解決”以外にも見どころは多いため。
邦題の副題にある刃の館は誇張表現に過ぎず出てこない。印象的なナイフのオブジェはあるが、それよりも各国の仮面や人形、碁やあぶり出しなど館全体的に”死を前にして小説のネタが手に入ったと喜ぶような作家性”が出ていて見どころの一つではある。
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