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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密のmomokaのレビュー・感想・評価

4.0

「The knives are out」=「矛先が向く」

ダニエル・クレイグが出演しているということで、かねてより気になっていた本作。久しぶりにミステリ映画を観た気がする。

風変わりな名探偵ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)。そんな彼が、世界的なミステリー作家であり巨大な出版社の創設者ハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)の死にまつわる謎に挑む。

ハーランの一族はどうしようもない人たちばかりで、みんなどこか疑わしい。そうしたなかで、ブノワが真実にたどり着いていく過程が面白い。最後まで目が離せない脚本は見事だった。
財産にしか目がなく、自らの欲望ばかりを優先する一族の本質をきっと見抜いていただろうハーランは、怒りを抱えるとともに、孤独でもあっただろうなと想像する。マルタ(アナ・デ・アルマス)だけが唯一心を通わすことのできる大切な友人だったと。一族に対する責任や血のつながりを超えた彼女への想いがハーランにあのような行動を取らせたのだろう。

ラストシーンにおいても、まるで立場が逆転したかのような構図が最高に皮肉でとても良かった。“My house My rule My coffee”ね。

ジェームズ・ボンドの時とはまた打って変わって、どこかお茶目で癖のあるダニエル・クレイグも必見。また『No Time to Die』でも感じたが、アナ・デ・アルマスがとってもキュート。すでにダニエル・クレイグと共演していたとは知らなかった。
連続ドラマのような雰囲気があり、テンポ良くお話が進むのでサクッと観ることができる。ミステリ好きの方、そうではない方も充分に楽しめる作品だと思います。

*そこまでドラマやオリジナル作品を観れないなと思いNetflixを解約したけれど、続編の『Glass Onion』は気になる…!
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