イタガキLv1

先に愛した人のイタガキLv1のレビュー・感想・評価

先に愛した人(2018年製作の映画)
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とりあえず最初のぼくの母さんは女優だからの321の演技が面白過ぎで画面に向き直っちゃった笑
ティーンの映画かな。

内縁の夫と愛人の喧嘩をもっと見たくなっちゃう。
犬猿の中だけどソウルメイトっぽさもあるやり取りが好き。

旦那の物だから触らないでって言われた時の表情とか、さっきまでキャンキャン騒いでた犬が怒られてピタッと止まる時みたいだし、
やけ酒のお酒買った時に店員さんを睨みつけてる時の間とか所々にボケが入ってるのが面白い。
もっと暗い映画かと思ってた。
舞台袖で見つめ合う二人とか、最後に流れ星にお祈りするときとかの画面越しに見つめられてる感じも良かったな。

最初から愛してなくてやっぱり無理だって言われた人の傷ってしんどいよな。
奥さんはお金ばっかりで内縁の夫は愛を噛み締めてるように見えたけど、裏切った先生がした最後の誠実さがお金だけだったから取り返したかったし、それまで奪われたくなかったのかなと思う。
あと、先生が普通の人になって結婚するって言ってたけど、奥さんは愛も大事だけどそれ以上に必要で賢明な事を選ぶ人生だったはず。
昔ながらの一般的な女性っぽくてそういう所に先生は希望や憧れを持ったのかも。
この女性といれば世間の求める姿になって苦しみも無くなると思ったのかな〜…と。
周囲の価値観で生まれる性への苦が無いジェンダーへの憧れ…?

稽古中に殴り込んであなたの母親に言ってやったからって息巻いてるところを息子に見られた愛人と、告別式?で母親に受け入れてもらえた内縁の夫。
母親の無償の愛と夫婦の愛じゃ違うよな〜…とも思った。
何も奪えなかったし傷つけられなかった。
先生をただ誠実に愛してただけだもんな。
傷をつけられていい人ではないよな。
奥さんもそうで、だけど自分の受け入れられる自分を見つけるために冒険した先生が悪いとは言い切れないなとも思うし…。

内縁の夫も愛人も感情がでかすぎて息子は苦しいだろうなと思った。
大人は多少自分たちの感情を察することができても、お父さんの真実を理解することにも時間が必要な子が二人の大きな愛憎の中にいたら分けもわからなくなるよな。