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アマンダと僕のYYamadaのレビュー・感想・評価

アマンダと僕(2018年製作の映画)
3.8
みんなで観よう【みんかい?】指定作品
『アマンダと僕』

◆製作国: 🇫🇷フランス
◆製作年: 2018年
◆ジャンル: ヒューマン・ドラマ
◆受賞歴:
・第31回東京国際映画祭:
 東京グランプリ、最優秀脚本賞受賞

〈見処〉
①まるで実話!?悲劇の向こうに
 希望が見える、感動のフランス映画
・『アマンダと僕』(原題:Amanda)は、2018年にフランスで製作されたヒューマン・ドラマ。
・本作の舞台は2015年のパリ。24歳の青年ダヴィッドは穏やかで幸せな日々を送っていたが、ある日、突然の無差別テロ事件にて姉サンドリーヌを喪う。サンドリーヌの7歳の娘アマンダの面倒を見ることになったダヴィッドは、姉を亡くした悲しみに加え、7歳の少女の親代わりという重荷を背負うことになる。
・一方の幼いアマンダも母親の死を受け入れられなかったが、ともに暮らしていくうちに、深い悲しみを抱える2人の間に、次第に絆が生まれていく…。
・本作は、死者130名、負傷者300名以上を生んだ2015年11月13日『パリ同時多発テロ事件』の惨劇を基にしたフィクションながら、青年ダヴィッドに扮する新鋭俳優ヴァンサン・ラコストと、アマンダを演じる新星イゾール・ミュルトリエによる実在感溢れる「叔父と姪っ子の関係性」が、本作に高いリアリズムをもたらしている。

②結び…本作の見処は?
◎: 見えぬ姿で存在していた、姉であり母のサンドリーヌと、ダヴィッドとアマンダの「三角関係」から、叔父と姪っ子のか細くも力強い「二人の関係」に移り変わる経緯が丁寧に描かれている。フランス映画特有の「平淡な日常のなかに生まれる確かな感動」は、米英作品ではなかなか見られない。
◎: 終盤の「エルビスが建物を出た」際のアマンダ扮するイゾール・ミュルトリエの演技力に脱帽。撮り直しが利かなさそうな場面にて、どの様に感情をコントロールするとあの表情が出せるのか?
ラストシーンだけで作品質が幾段も上がっている。
○: 16ミリフィルムで撮影された新緑のパリは、他作品で見られるような「映画映えする芸術的な街並み」ではなく、Tシャツ姿が多い「生活感溢れる風景」を堪能出来る。
▲: 「唐突に登場する人物たち」や「(どのような意味を為すのか理解に苦しむ)終盤のイヴァンからの手紙」などミカエル・アース監督の構成力に、ちょっと疑問視。(監督の演出にて引き出されたのかもしれないが)、本作の高評価は主演2人の熱演によるものの気がする。


みんかい?で皆さんと「答えあわせ」が楽しみな作品でした。
選作されたHariganeさん、素晴らしい機会をありがとうございました!
YYamada

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