るい

長いお別れのるいのネタバレレビュー・内容・結末

長いお別れ(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

一緒に観た友人は何度もボロ泣き。わたしは一切泣かなかった。感動してないかというとそうではない、感動したかというとそれもそうではない。退屈でも素晴らしいとも思えなかった。

役者陣は文句なしで素晴らしい。ただ共感できないキャラクターが多すぎた。
認知症の父も自分と年齢がかけ離れてるから共感できない部分と認知症になる前の彼を描いていないのでキャラクターを愛せない。
母は"全てが夫の為"で子どもや自分自身に無頓着すぎて共感できない。
長女もアメリカという環境に一切適用せず、子どもや夫との接し方でも自己が強すぎて上手くいかないのも納得である。
次女だけは共感できた。共感しすぎて終始苦しかった。彼女は父が立派な教師として仕事をしていたからこそ自分がパートで30歳を過ぎても働いていて父の期待に応えれていないと自分自身を恥じて生きていた。父の親友の葬儀でも父の友人から「君も教師なの?」と聞かれ違うと答えるシーンも辛さが死ぬほど分かる。親へのリスペクトや愛が大きいからこそ認知症になった父をいつも率先して助けた。愛が深すぎるゆえに恋愛でも失敗した。認知症になった父に「車で移動して人々にご飯を作って喜んでもらう仕事をしてる。」と伝えて「立派だ。立派な仕事だ。」と父の口から聞けて、恥ずかしい申し訳ない期待に応えれてないと思っていた自分が認められた瞬間で相当嬉しかっただろうな。良いシーンだ。
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