まふ

聖なる飼育のまふのレビュー・感想・評価

聖なる飼育(2017年製作の映画)
3.3
穏やかな情景で始まる一見すると美しいその世界には、それなりに年齢のいったミゲル(♂)とその他若い男女と子供しかいない。既に異様です。ミゲルは主人公(12歳の女の子)に言います。生理がきたら純潔を守って私の跡を継ぐ男児を産んでくれ、君は特別だし私のものだ。所謂グルーミングです。マジでキモすぎる。
序盤こそ主人公はそれを誇らしいものだと思ってるんだけど、学校に通うようになりコミュニティの外に出ることで、自分の置かれている環境とミゲルの異様さに気付き始めます。
主人公の洗脳が徐々に解けていくにつれ、徹底的にミゲルを恐ろしく不気味に映しだし、後半の儀式と呼ぶ最低最悪なシーンも直接的には映さない。途中に挟まれる幻想的で抽象的なシーンも含め、とても女性監督らしいなと思いました。所々長尺だなと思うシーンの多さは気になったものの、個人的に、ああいうシーンはこれくらい曖昧でいいと思いました。異様さや恐ろしさは充分伝わると思うので。
まふ

まふ