母が入院してるというのに病院に見舞いにも来ず研究に明け暮れる父(堤真一)。母が亡くなった時ですら父は駆けつけてこなかった。そんな父を恨み反抗を続ける女子高生(広瀬すず)。
その父が研究中の薬を飲んで死んでしまう。実はその薬は死んで2日後に生き返るという新薬。実験して実証する必要があり飲んだのだ。
(ネタバレあります。)
父の会社は乗っ取られようとしていた。そんな事は露しらぬ父は騙されて実験の為と信じて薬を飲まされたのだ。父が生き返る前に娘を騙して印鑑を押させて合併し更には乗っ取る算段だったのだ。
父が死んで動揺する娘の元に行って調印を迫るが娘は父が死んでも動揺しておらず冷静だった。
乗っ取りを目論む連中は娘に調印を拒否されたので「死体を殺しても殺人にはならないよね。」という謎理論で葬儀をせず早々に遺体を火葬する事にした。
事情を知る父の忠実な部下は娘に父親(社長)は本当はまだ死んだ訳ではなく2日後に生き返る予定なのだと伝える。
葬儀をしないと生き返る前に火葬されてしまうと知った娘は取締役会議で泣いて葬儀をしたいと訴える。この泣きの演技が大根で笑える。
(この映画はコメディなのでずっとこの調子だ)
乗っ取りを目論む連中はあの手この手で葬儀を早めようとし、一方娘と忠実な部下は何としても父を生き返らせようとするドタバタだ。
(ここからラストまでの完全ネタバレあります。未見の方はご注意願います。)
右往左往の間に娘が父のスマホを開いてみる。父が母の死後にも母にLINEを送り続けていたことが分かる。
君の味そっくりに食事を作ったよ。
きっとおふくろの味になるはず。
君を助けたくて研究に没頭して見舞いにも行けなくてごめん。
君をどうしても助けたかったんだ。
でも君が死んだ時後悔した。
もっと病院に行けば良かった。ごめん。
ごめん
ごめん
ごめん
娘は初めて父の心を知る。
父がどれ程母を愛していたか。自分を気にかけてくれていたか…。
「言わなきゃ分かんないよ…。(涙)」
絶対に父を助けないと!娘は決心する。「ねえ?早く生き返らせる方法って無いの?」
部下は答える。「薬を作った人なら分かるかも?」
そこで聞きに行くが開発者は「分からないが社長の開発ノートに書いてあると思う。」
ノートの在りかは分かったが開けるにはパスワードが必要。そのパスワードが洒落ている。一番大切なものがパスワードであるとの事なので、娘の名前を入力するが引っ掛からない。
「私じゃ無いのか。」娘はちょっと不満げ。
色々打ち込むが全部ダメ!早くしないと父が火葬されてしまう!
娘は父が言った言葉を思い出す。「お前の名前は元素記号なんだよ。」そこで元素記号を番号に直して名前を数字で打ち込んでみるとビンゴ!!
無事にノートを取り出して父を生き返らせることが出来た。
が、乗っ取りを目論む連中が本当に欲しかったのはそのノート。ノートさえあれば若返りの薬とか金になる薬がわんさか作れるのだから。
ノートをよこせと襲いかかる。
が、娘は強かったね!父に恨みを抱き日々鬱憤を晴らすためボクシングで鍛えていたものね!悪者をやっつけ、ノートは暖炉にくべられた。
父と娘は誤解も解けてめでたしめでたし。end
正直なところ前半は馬鹿馬鹿し過ぎてあまり面白くなかったです。でも後半LINEのくだりから一気に良くなりました。
仕事に夢中で死に際にも病院に来なかったという映画やドラマは沢山あるけど、病院に来なかった理由が妻を救うための薬の開発に必死だったからだなんて!広瀬すずの喪主の挨拶がわりのデスメタルな歌も良かった!
監督の浜崎慎治はこれが長編映画デビュー作。
これまでCMディレクターとして数々の作品を送り出してきた。
・KDDI「au三太郎」シリーズ
・花王 アタック「洗濯愛してる会」シリーズ
・日野自動車「ヒノノニトン」シリーズ
・家庭教師のトライ「ハイジ」シリーズ
えっ?私の好きなCMばっかりやん!
CMディレクターから映画監督になった監督として大林宣彦や岩井俊二や市川準や吉田大八と沢山いますが海外でもリドリー・スコットやデビッド・フィンチャーという巨匠も元々はCMディレクター。
あまり知られていないけどあのチャップリンも実はCMディレクターでした。
CMディレクターだった人ってカット割りが上手くて色々な工夫を凝らす監督が多いような気がします。浜崎慎治さんもこれからに期待。