息吹

いろとりどりの親子の息吹のレビュー・感想・評価

いろとりどりの親子(2018年製作の映画)
3.0
ダウン症や自閉症などの障害者、LGBTの本人とその家族。そこに留まらず、殺人加害者の家族にまで、親としての苦悩や、本人の生の声を赤裸々に綴ったドキュメンタリー映画。
違いを認める、受け入れる為に苦悩しながらも努力を続ける親の姿。
当事者の苦悩もさる事ながら、家族、特に親にもフォーカスしている事で、かえって観ている側には受け入れやすく出来上がっているのかも。

現実を受け入れる事と愛情がある事は違うんだと、原作者でもあるアンドリュー・ソロモンさんが言った言葉がとても印象に残りました。
愛情はあっても現実を受け入れるのには時間が必要であったり、愛情はあっても現実を受け入れられない事は普通です。
可愛い我が子のアイデンティティを認めたくても、親にも理想や希望・願望があるわけだから。勿論、それを押し付けるのは我が子を親がコントロールする事にもなるわけで、私は、それをすべきではないと思うし、したくないです、絶対に。

どんな人にも親子・家族間での苦悩がある中で、ただただ現実に起きた事を事実として受け止めていくしかないのだという事が伝わってきます。
嫌な感じは残らない仕上がりの映画だし、いろいろな人がいて、本人のみならず親として家族として日々どんな事を感じながら日常を過ごしているのかを知るには良い映画かもしれません。

個人的には、同じような立場の方々に、希望を持たせる内容の映画が観たかった。
でも、現状は、こうなんでしょうね。
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