Yui

おとぎ話を忘れたくてのYuiのレビュー・感想・評価

おとぎ話を忘れたくて(2018年製作の映画)
4.0
これからを生きていく全ての人のお手本になるような、現代的な良作でした👏

完璧で美しいロングヘアーのヴァイオレット。仕事も恋愛も順調なキラキラウーマンに見える彼女だったが…。


"髪"を軸にしたコンプレックスからの解放ストーリーなんだけど、これをただのコンプレックスの話として観終わってしまうのは勿体ない!

「男女格差、世界121位」の日本人ならきっと共感出来る"呪い"の話なのである。

ヴァイオレットは幼い頃から、母親に完璧でいなければならないと育てられて、それを自分の価値観として生きて来た。虚栄心や強迫観念、完璧でいなければ愛されない…そんな植え付けられた価値観が、知らず知らずのうちに自分で自分の首を絞めてしまっていたのだ。

"男性が望むような女性"
そうあるべきと育ったヴァイオレット。母親を恨みたくなる案件だけど、これまた母親もそういう育ち方、そういう時代を生きて来てしまったが故なんだよね。悪循環が見ていて悲しくなった。

私たち日本人女性も、女は男の三歩後ろ、ちょっとくらいのセクハラは笑って流せるくらいじゃないと、メイクは社会人のマナー、若さが女性の価値、露出の多い服はみっともない、結婚出産が女の幸せ、などなど沢山の呪いをかけられてきた。それは今もなくなっていない。

世間がメディアに煽られ、社会規範に自分を合わせていかないと生きにくい世の中で、無意識のうちにそれが"当たり前"となり、自分や他人に押し付けてしまってきた。

そんな中で、誰が悪いとかではなく、気付いたならまず自分が変わろう。1つずつ変えていこう。自分の為に、自分の周りや、これから生きて行く人達に同じ呪いをかけない為に。というメッセージが色んな部分から伝わって来て、凄く素敵だった。


"自分らしくいる勇気"
まず、ありのままの自分は美しいという事を知り、感じて、その上で好きな事を選んで行く自由。

一生、誰かや何かに影響され続けて行くのが人間なんだとしたら、自分の関わる人にはプラスの影響を少しでも与えられる人になりたいなぁと思った。

キラキラした人はみんな美しい!
コンプレックスをテーマに、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)で、縛り付けられた呪いを解くという現代人に合ったテーマの作品でした。
ライトな仕上がりでとても観やすいのに、色んな問題が自然に盛り込まれてて良かった◎

今だから作ったんだろうし、今観て共感して学べる良い作品でした。色んな人に観てほしいやつですね。


「グレイス&フランキー」のジェイコブがパパ役で出ていて、イケイケで素敵だった!笑


2021-37
Yui

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