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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のnagashingのレビュー・感想・評価

3.5
三丁目の夕日が射し込みまくってる画面はツラかったけど、『レディ・バード』の母娘ドライブ強化版みたいなシンクロ編集が全開になると、さすがに審美より話術への感心が上まわる。暖色と寒色の往復が、過去と現在の対比→未来へ邁進(=執筆)するための蝋燭の火と日中の光の協働→そして虚構(ジョー)と現実(オルコット)の分裂へと変遷していくのがアツい。アイロニーとしか思えないレベルに嘘くさすぎる幸せな風景と、一冊の本だけを得たささやかな自足が止揚されるラストはよくわからん感動がある。クラシック映画オマージュなエンドクレジット表示も気が利いていた。シャラメの告白シーン、「えぐっえぐっ」とアホみたいに泣いてしまったので、座席がソーシャルディスタンス仕様で本当によかった。
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