ひろ

ゾンビランド:ダブルタップのひろのレビュー・感想・評価

4.2
2009年公開の「ゾンビランド」の続編で、再びルーベン・フライシャーが監督を務めて製作された2019年のアメリカ映画

ゾンビが蔓延る世界で生き抜く人達を描いた作品「ゾンビランド」。ゾンビ映画としてはライトでゾンビ好きじゃなくても楽しめる秀作だ。戦々恐々とゾンビに恐怖するわけでもなく、笑いどころ多めでアクションもしっかりしているのでバランスがとてもいい。ゾンビとコメディの相性は抜群なので、散々コメディ作品も出ている。この作品のコアは、ゾンビでもなければアクションでもない。ゾンビだらけの世界で人としてどう生きるか?という哲学なのだ

10年経っての続編ということで、設定も10年後。オリジナルキャストも10歳ずつ歳をとっている。少し老けたがあまり印象は変わらない少し上からものを言うタラハシー役のウディ・ハレルソン。名作にこの人ありな役者だな。頼りにならなそうだけどたくましく成長したコロンバス役はジェシー・アイゼンバーグ。この俳優はいい役をよく掴む。気のおけない姉妹の姉ウィチタ役はエマ・ストーン。オスカー女優になったのに出演してくれるのは高感度が高い。コロンバスを見る目つきがなんもと笑える。妹のリトルロック役はアビゲイル・ブレスリン。「リトル・ミス・サンシャイン」の子役時代のかわいさは何処。それぞれ10年で役も忘れてそうなのに揃うんだから映画ファンは嬉しい

この作品ではゾンビランドを生きる上でのルールがとても大切であり、ルールを軸に話が成り立っていると言っても過言ではない。サブタイトルのダブルタップもルールの1つだ。ゾンビ映画なんだらゾンビをもっとゾンビらしく描いてもよさそうなのだが、この作品はゾンビ映画であってゾンビ映画ではない。むしろヒューマンドラマに向かっている。しかし、笑いを散りばめ過ぎてヒューマンドラマにもなりきれない。そんな中途半端な感じが作品の雰囲気にあっていて、面白いのだ。腰を据えて見る作品でもなく、ビールとポップコーンがお似合いなのだ。ビールとポップコーンがお似合いというのは、娯楽映画にとって最高の褒め言葉である。ゾンビって面白いですね!
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