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HOT SUMMER NIGHTS ホット・サマー・ナイツのkuuのレビュー・感想・評価

3.5
『HOT SUMMER NIGHTS ホット・サマー・ナイツ』
映倫区分PG12.
原題Hot Summer Nights.
製作年2017年。上映時間107分。 

ティモシー・シャラメが主演を務めた青春映画。

ティモシー・シャラメのほか、マイカ・モンロー、アレックス・ローら若手俳優陣が顔をそろえる。
監督は本作が長編デビュー作となるイライジャ・バイナム。
余談ながら中国人の友達に前日教えてもらったことですが、中国でのティモシー・シャラメのニックネームは
『甜茶』とのことで、理由を聞くとなっとくでした。
甜茶は中国語で『甘いお茶』で、本名『Timothée Chalamet』の『Ti』の発音が中国語の『甜(Tian)』に似てるし、『Cha』は中国語の『茶』と同じ表記であるからやと、分かりやすい由来す。
野郎にまで魅了するスイート(甜)な微笑みを持つティムにはピッタリかな。
扨、お話は、
1991年の暑い夏のマサチューセッツ州にある鉤状の半島ケープコッドを舞台。
『君の名前で僕を呼んで』で演じた受動的で早熟な目をした夢想家のティモシー・シャラメを主演に迎え、切ねぇ出会いの青春映画を想像してみたら。。。
そのシャラレが、フードをかぶって官能的な無邪気さで、『ブギーナイツ』のマーク・ウォールバーグのようにマリファナを売りさばくようになる、反社のドラマを想像してみたら。。。
この2人を組み合わせて作られたのが今作品になる。
この奇妙にロマンチックなドラッグドラマは、時間をかけずに説得力を失っていく。
しかし、そうなったとて、俳優たちはそれを維持している(シャラメ贔屓やしそないな気がする)。
せや、初めての脚本・監督であるイライジャ・バイナムは、雰囲気作りが巧いと感じたし、これは観てる側がこの話を真に受けちまうことを意図してんのちゃうかと思わずにはいられへんかな。
もしそうやったら、それは誤算かな。監督は、繊細でノスタルジックな十代の日記からクライムフィクションのエピソードを切り取ったような作品を作ってしまってる。
シャラメが演じるダニエル・ミドルトンは、
寝室でリンダ・ロンシュタットの『Long, Long Time』を聴きながら過ごす、不器用で疎外感ある喘息持ちの一匹狼という設定。
彼は夏の間、ハイアニスの叔母さんのもとで過ごすことになるけど、そこでは町の人々とスラム化した観光客の村との間に挟まれた奇妙な少年やった。しかし、そんな彼が出会ったんは、町で最も美しい2人の人物。
赤いマスタングに乗ったマリファナの売人、ハンター・ストロベリー(アレックス・ロー)は、ジェームズ・ディーンを陰鬱なグリースモンキーにしたような格好でパーティーに参加していた。
ハンターの別居中の妹、マッケイラ(マイカ・モンロー)は、カットオフの服を着て口角を上げていて、この辺りでは最も人気のある女子。
もし、ダニエルが序盤のシーンで、女子との話し方を知らず、ビールカップを持つのがやっとのオタクであることを提示していなきゃ、これらのことはもっと信じられるかもしれへん。
とはいえ、シャラメはオタク趣味を魅力的なものにしている。
彼は、大麻の売人になってしまったが、それ以外のことは考えられないという負け犬の学生、ハンターと出会うと、その頭の良さで彼を魅了し、彼のアシになる。
シャラメは個人的に優れた俳優やと思う。
映画で表現された場合、彼が日和見主義の犯罪者として見られる可能性がある。
シャラメは黒い目と眉毛を持っていて、薄い顔の中で踊っていて、彼の強さを全集中させてるけど、それ以上に、彼には遠くまで行っちまいそうな無情さがある。
彼が心を持っていないという意味じゃなく、真のスターに必要な要素です。
磁石のように自分の意思を貫き、残酷でさえある能力を持っていると云えるかな。
(彼が壊れたオタクモードになっているとき、マッケイラのような人が彼に一目ぼれするとは信じがたいが、シャラメはダニエルに、彼女の防御を打ち破るたどたどしいセクシーさと不機嫌な本能を与えている。
今作品は、古いスタイルの性的対立を設定しておきながら、それを枯らしてしまってるとチョイ思ったかな。
地元のドライブインで『ターミネーター2』が上映されていることを除けば、90年代初頭の雰囲気はあまり感じられへんかったし。。。
シャラメ贔屓の評価星+0.5😀
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