スティーヴィーのうちに秘める兄への憧れや、だだ漏れするレイへの憧れの描写はとてもうまくて、心がくすぐったくなった。
半面、スティーヴィーの憧れがどんどん「男らしさ」に変化していくのは、見ていてしんどいものがあったし、それに対する批判的な視座は感じられなかった。
また、少年たちのそれぞれの思いが交錯していく様も、瑞々しく切り取られていたと思う。
『スタンド・バイ・ミー』のように、大人になったらこの子たちはともだちではなくなってしまうんだろうな、だからこそ唯一無二の少年時代、という描かれ方なのだろうな、と思うのだが「俺らを分断する社会構造ファックシット俺らズッ友！」みたいな映画があってもいいなと思う（女の子が主人公の映画は最近そういう映画が多いので）。『スリーパーズ』みたいなやつじゃなくて。
