【『Midsommar』前夜祭に...】
大学時代、デンマーク映画について研究していて、当然ながらカール・テオドール・ドライヤーも観ていたのだが、この作品の存在を知ったのは卒業後であった。親友から激推しされた本作を、グアム帰りの飛行機で観てみました。
絵画のように作り込まれた構図で有名なカール・テオドール・ドライヤーですが、本作は意外と雑なショットが多いように思える。田舎の結婚騒動を描いた話で、内容自体はそこまで面白いとは感じなかったのですが、時折面白いショットに遭遇するから楽しめた。
まず何と言っても、アリ・アスターは『Midsommar』に組み込んだのではと思わずにはいられない円を組み踊る場面の華やかさ。そこにのっそりのっそり男がやってくる不気味さは、非常に印象的です。
また、終盤男が丸太に跨り流される場面があるのだが、死んでもおかしくない程に狂ったショットとなっており、《静》のショットが多いドライヤーにしては珍しく《動》に満ち溢れていた。
とはいえ、やはり『裁かるるジャンヌ』『吸血鬼』が凄すぎるため霞んでしまう作品である。
さて、来週ようやく『Midsommar』が観られる。楽しみだなぁ。