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SANJU/サンジュのTaiのレビュー・感想・評価

SANJU/サンジュ(2018年製作の映画)
4.3
「きっと、うまくいく」「PK」のラージクマール・ヒラニ監督最新作は、ボリウッドから転落した男サンジャイ・ダットの半生を映画化‼︎

いつのまにか劇場公開から終了されていて、いつのまにか早々にレンタル開始といういつの間に過ぎる展開!
インドではかなりのヒット作らしいのに、おかしい…
好きな監督なだけに劇場で観たかったですね(ー ー;)

この実在する主人公サンジャイ・ダットですが、実はヒラニ監督の処女作「ムンナー・バーイ M.B.B.S」の主演を務めた俳優なのです。
「PK」にもちょい役で出演してますね。
現在では俳優業だけでなく、政治家としても活躍しているそうなのですが、過去には逮捕歴が!
おそらく本国インドでは色んな意味で、かなりの有名人。
その半生を映画化したものです。

父は俳優兼監督、母は名女優という映画界のサラブレッドであったサンジャイ・ダット。
ある日、自らが逮捕されるであろうというニュースを自宅で知ることになります。
汚名返上の為に作家に自伝小説を書いてもらおうと依頼。
その執筆にあたって彼を紐解いていく中で見えてくる人物像とは…?

もうこのサンジャイが本当にいわゆる〝クソ野郎〟なんですよ!
親の七光りで俳優になったようなものなのに、撮影に真面目に取り組むことも無く、酒に溺れて、父に禁止されているタバコを常習し、あまつさえドラッグにまで手を出してしまう。
これにより普通なら世間から完全に見放されそうなものなのに、そんな彼を支え続けた家族や友人。
正直、サンジャイには呆れて物も言えない状態でしたが、彼の家族や友人が良い人過ぎ!
「きっと、うまくいく」でもそうでしたが、ヒラニ監督はどストレートな程の良き友情物語で惹きつけますね。
今回も良いお話でした(*´ω`*)

そんなザ・どら息子なサンジャイの半生を1人で演じ切ったランビール・カプールに拍手を!
20代で駆け出しの頼りなさそうなお坊ちゃんサンジャイから、売れて調子付いてるマッシブなサンジャイ、その後の白髪にヒゲで恐らく筋肉も垂れているサンジャイも全て演じ切っています。
一役演じるのにあれだけの肉体改造は素晴らしいですね。
それだけの気合とともに、表情の演技もバッチリ!
あれだけの体格なのに父親の前で縮こまっている顔も、ドラッグがキマっている目も、自信家な笑いも実に多彩な表現力でした◎

そして、やはりヒラニ監督。
この監督作品って、色んなテーマや人物が登場するのですが、最終的には〝人生応援歌〟だと思うんですよね。
今回も共に作品を作り上げた盟友の半生をベースにして、全ての人を応援しているように思いました。
やっぱりこの監督大好きです(≧∀≦)b

エンディングで突然MV始まったと思ったら、ご本人登場!(笑)
本人のサンジャイ・ダットと本作でサンジャイを演じたランビール・カプールが一緒に歌って踊ってしています。
しかも、歌詞の内容がサンジャイ自身の事!
最後まで楽しめて大満足です◎
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