リコ

ジョンソンにはうんざりのリコのレビュー・感想・評価

ジョンソンにはうんざり(1938年製作の映画)
3.8
オーソン・ウェルズがマーキュリー劇団時代に制作したサイレントコメディで、後の「市民ケーン」「上海から来た女」の萌芽らしきものは既に垣間見えるのは興味深い。

舞台の幕間に上映する為の作品なので、映画だけ見るとあらすじはむちゃくちゃなのだけど、冒頭の人妻と間男の逢びきから、帽子騒動の巻、倉庫街で大騒ぎの巻、地の果てキューバで追いかけっこの巻など、ナンセンスと瑞々しい映像感覚が満載で、見てて飽きない。

主演の若きジョゼフ・コットンはスタントも自分でやったんだろうか。ハロルド・ロイドもびっくりのアクションを体張ってやってる。
その他キャストもマーキュリー劇団の関係者。金縁眼鏡のご婦人をメアリー・ウィックス、というか「天使にラブソングを…」の長身おばあちゃんシスター役の人がやってて驚いた。
劇団のプロデューサーで後のオスカー俳優(「ペーパー・チェイス」)でもあるジョン・ハウスマン、演出助手で戦後赤狩りのためフランスへ亡命したジョン・ベリーもエキストラで参加してるようだ。
オーソン自身も警官隊の一人として出てたけど、そのシーンはカットしてしまったらしい。照れくさかったのかな?
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