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ジュディ 虹の彼方にのharuのレビュー・感想・評価

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)
3.5
それでもやっぱり心が欲しいんです。

1968年ジュディ・ガーランドは、度重なる遅刻やドタキャンにより仕事が激減。ついに借金で首が回らなくなり、子供たちを満足に育てることができなくなっていた。そこで単身ロンドンへ向かい、連日クラブのショーで歌うことにするが…

「オズの魔法使い」で大スターとなったジュディ・ガーランドの晩年を描いた作品。レニー・ゼルヴィガーが吹替なしで実際に歌っており、アカデミー主演女優賞を受賞。ご本人に似てるのかはわかりませんでしたが、さすが!
さてストーリーはと言うと、酒とドラッグでボロボロの47歳のジュディ・ガーランドがそれでも頑張ろうとする話なんですけど、レニーの演技が上手すぎるのか見ていて痛々しい。彼女が生涯で5回も結婚したのも、最後まで歌い続けたのも、誰かに愛されたかったからだと思うと、ラストは感動より悲しみが上回りました。
彼女は幼い頃からブラック企業の社員のごとく、毎日寝る暇もないほど働かされ、過度なダイエットを強いられた挙句、痩せるために覚醒剤を与えられていた。その上セクハラ、パワハラのメンタル攻撃まで受け続けたせいで、大人になっても自分に自信が持てず、やがて怖くてステージに立てなくなる。それでもファンの前に立つのはどれだけ勇気がいることだったのか。こんなの乗り越えられるわけがない。彼女の人生が壮絶すぎて見るのが辛かったです。
そしてやっぱり「オズの魔法使い」が終始チラつくんですが、ジュディはどんな気持ちでドロシーを演じていたんだろう。次「オズの魔法使い」を見たら泣いてしまいそうです。
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