しろみさかな

ジュディ 虹の彼方にのしろみさかなのネタバレレビュー・内容・結末

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

明るいポスターとは裏腹に、悲しくて苦しい話でした。思ってたんと違ったけど、駆け込みで見て良かったです。サクサクと時間を忘れて見れました。
10代の頃の業界に入りたての彼女は、純粋で可愛らしかったです。一方で、とても怯えた目をしていました。大人に支配されている様子が、とてもよく描かれていました。最近見たブロンドでも、マリリンモンローが薬漬けになっている様子が描かれていて、当時はそれがベターだったのかなぁと思いました。若くて食欲も旺盛な時期に、目の前のハンバーガーを食べるなと言われるのは苦行です。しかも成長期に寝ずに働き続けるなど、とても見ていられない姿でした。それがトラウマになって、大人になった彼女もまた、ずっと苦しめられている姿、素晴らしい演技力で引き込まれました。
良かったシーンは、やっぱり歌唱シーンは当たり前にそうなんですけど、私が好きなのはケーキのシーンです。ケーキを一口食べるシーン。長年のトラウマで食べていいものか、苦悩しながらも一口…。彼女の中で、トラウマを克服し、小さく前に一歩進み出したあのシーンは、とてもじんわりしました。ラストのみんなで合唱するシーンも、自然と涙が出るくらい良かったです。
他人のために自分を犠牲にして、幸せを届けようとするエンターテイナーな姿が、痛々しくもあり、悲しかったです。可哀想な死期ではありましたが、流れ星のように散り行きながらも輝いた彼女の姿がしっかり描かれた作品でした。大満足。
ネトフリだと確か12月1日までだったので是非どうぞ。
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