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騙し絵の牙のkuuのレビュー・感想・評価

騙し絵の牙(2021年製作の映画)
3.5
『騙し絵の牙』映倫区分G.
製作年2021年。上映時間113分。

『罪の声』などで知られる作家の塩田武士の小説を、大泉の主演で映画化。出版業界を舞台に、廃刊の危機に立たされた雑誌編集長が、裏切りや陰謀が渦巻く中、起死回生のために大胆な奇策に打って出る姿を描く。
『紙の月』の吉田大八監督がメガホンをとり、松岡茉優、佐藤浩市、中村倫也謎の男にはリリー・フランキーら実力派キャストが共演する。
國村隼のプチ・白髪ロン毛は笑えた。

大泉洋を主人公に想定して書かれた小説を映画化した今作品。
そりゃしゃ~ない時代の流れの出版不況に揺れる現在。
舞台は、大手出版社『薫風社』。
社長が散歩中に亡くなる所から始まり、後継者争いが起きる。
次期社長の座をめぐり、東松専務(佐藤浩市味出てきたなぁ)派と宮藤常務(佐野史郎。ふ・冬彦さん)派の対立が激し~くなる。
そんな中かねてから懸案だった売り上げの芳しくない雑誌の廃刊問題が浮上。
カルチャー雑誌『トリニティ』(この名前にはかなり引っ掛かるが、他の方が書いておられるんで割愛)の新任編集長の速水(大泉洋)も窮地に立たされていた。
しかし、速水は、文芸雑誌『小説薫風』から引き抜いた新人編集部員、高野(松岡茉優)を使い、
超人気ファッションモデル、城島咲(池田エロイザじゃない、エライザさん🙇3Dプリンターでチャカ作ったらアカンやんって、作中、拳銃を3Dプリンターで作っちまったて描写、実際は、単体での作成は難しい(バレルやバネなど金属部品が必要)んて、発射台の拳銃は仮に出来ても、玉はどうするか?これがまた手に入らない。玉が手に入るなら拳銃もマブもの手に入れた方がええのに)、
ミステリアスなイケメン新人小説家、矢代聖(宮沢氷魚、父ちゃんの宮沢和史も『ないないない国』歌いながら見てるやろ)、
文学界の超大御所小説家、
二階堂大作(國村隼)らを手玉にとり、大きく売り出すための企画を仕掛けて行く。。。

今作品は、大泉洋主演を想定して作られた原作だけあって彼が好きか嫌いかで、はじめに見る見ないはわかれるやろなぁ。
昼行灯な編集長役の大泉洋意外にも、へこたれない編集者演じる松岡茉優、こちらも好き嫌いわかれる俳優さん。
正直どちらもあまり好んで作品を手に取らない俳優さんでもあるが、映画『罪の声』には嵌まったので、視聴開始。
裏の思いは池田エライザへの熱い推しで観たのかも。
ってこないに他の理由で見はる人も多々おられるかな。
今作品には、他にも個性的な作家や、出版業界人、マスコミとかあまり内情を知らない人種を、個性派俳優さんたちが演じてるだけに多少は魅力的な作品ではあったかな。
特に主人公速水は大泉洋をイメージに当て書き(チャールズ・ブロンソンをイメージして作られた『雨の訪問者』とか比較的しられてるかな。キャラを演じる俳優をあらかじめ想定して脚本を書くことを指す)されており、弁もたつ頭も切れる腕もいい、そして清廉でないところって見たままのキャラやん(実生活の大泉洋は違うやろとは思うがバラエティーで見る感じでは)。
今作品の騙し絵の牙』ってタイトルと、
キャッチコピー
『ウソを見破り、ウラを暴け』
『騙し合いバトル、開幕!』通り、観てる側を騙すちゅう意味あいと、速水の不健全性ともいえるとこによって観てる側が受ける衝撃、陽気で八方美人のポジティブフェイスの裏じゃ、権謀術数を巡らし牙を剥き様子をうかがう。
健全を装う速水は、家庭生活はイマイチ上手くいってなく、女性の影がある(小説では)裏の顔を持つ片鱗をみせてんのかも。
民意でそう思われ勝ちな大泉洋はどないな気持ちでこの役にむかったんかなぁ。
数年内に文春砲がブチ込まれたら、今作品は改めてクローズアップされそう😊。
また、オモロイキャラたちが作中展開してる中で、製作費用やら上映時間の関係からか、作中全体に深掘りをしていなく、内容も大泉洋を隅々まで微細に描き込まれてないんが否めないんが残念のがら、でもまぁ苦手な俳優さんが先頭を走った作品やし、手際良く片付けられてて、最後まで確り観れた。
ただ、観終えてスッキリ浄化の『優』の付く邦画の一枚上と云うよりも、少し下の映画と感じました。
今作品は個人的に、映画って表現舞台じゃなく、時間に余裕を持ってキャラを確り描き込めるテレビドラマに向いてるんじゃないかと、また、テレビドラマ化を願うかな。
まぁ主演の大泉洋をはじめ、斎藤工・佐藤浩一・國村隼etc.
とにかくキャスト陣が一癖も二癖もあって華やかな。
壮大な騙し合いの大逆転劇かと思っていたら、大泉洋の持ち味をとことん活かしたコミカル風味の面白い騙し合い劇で、単なる騙し合い劇ではなく、変化する時代に対応する企業の在り方も問いかけており、なかなか味わい深い作品やった。
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